干し貝柱、蝦のすり身、慈姑(くわい)、干し椎茸になんと「胡瓜」がその具材。それをつなぎでまとめ、小ぶりのお餅状に。さらに煎り焼きの「煎」で調理。さしずめ海鮮入り、胡瓜入りのミニ・ハンバーグの趣。
私、この一品、初体験。 「「胡瓜」って、中国料理に使うんだっけ?」
「うん、ほら、四川料理で豚肉の薄切りを茹でて、辛味のタレをかけて食べる「雲片白肉」ってあるでしょ?。あん時、胡瓜の薄切り、スライス、一緒に食べたことない?
それから、胡瓜を叩き潰して辛味の醤油タレで食べる前菜、なんて言ったけ、う~ん、「麻辣黄瓜」。そうそう、北京の食堂なんかに行くと、胡瓜の前菜の冷製にいろんな味付けのがあるよ」
「そういえば「酢豚」に「胡瓜」って入ってること、あるよね」
「そうね。でも、「胡瓜」を炒めたる料理って、それ以外に知らないな」
「でもないんですよ!「胡瓜」を厚めに切って、ほら、漬物の「胡瓜」の厚さぐらいに。それと「海老」を炒めた料理ってあるんですよ。
おもしろいことに「玉葱」ね、それも、キャベツやレタスのように一枚、一枚、剥いでから「胡瓜」位の大きさに切り分け、一緒に炒めるの。すると炒めた「胡瓜」がいくらか「しんなり」して、「ぱり、さく」感、薄らぐでしょ?でも、味はすっきり。それから玉葱も火を通すとしんなり、「くた」っとなるけど、甘味を増すでしょ?どっちも、火が通って「しんなり、くた」のへたれな感じなのに、微妙に触感も違って、面白い組みあわせ」と、知ったかぶりの私です。
そういえば、潮州料理に「胡瓜」をザクきりにして、海老のすり身とか併せて、ピザみたいに平たい円形に延ばし拡げて、お好み焼きみたいに煎り焼きにしたり、かき揚げみたいに油で揚げる「青瓜烙」って料理、お惣菜があったなあ!なんて別の話をしながら、ふっと思い出しました。
袁さんによればこの「干貝青瓜餅」、広東地方の「家郷菜」ってことです。
けど、潮州料理の「青瓜蝦烙」に通じものがある。「青瓜烙」のように、平たい円形や、でっかいかきあげ風じゃなくって、小ぶり丸めて、餅状に。そういえば海老のすり身にいろいろ具材を入れて、煎り焼きにする「蝦餅」は、広東料理にも、潮州料理にもあります。
そんなことからすると「青瓜烙」、「蝦餅」のバリエーションじゃない?ってことに気づいたわけです。しかも、この「干貝青瓜餅」、焼き色しっかり付くぐらいに煎り焼きにしてあって、外側は、ぱりっとした歯触りのする「脆」の触感なのがグッドというかグレイト!
海老のすり身、戻してほぐした干し貝柱、干し椎茸がおりなす甘味や旨味に、慈姑のさくさくの触感。さらに火が通って多少「しんなり、くた」のながらもどこか「ぱり、さく」感、すっきり爽快な瑞々しさを残してるのは「胡瓜」ならではの味、風味。しっかりその存在を主張。
そういえば「胡瓜」も夏の名残物。
それにしても、この「干貝青瓜餅」、火を通した胡瓜の味、風味、触感、その存在感が目立ちます。馴染みのないないものだけに、なんだかミョーな感じもする。ですが、すっきりの爽快感が意外だ!
「家郷菜」、しかも「お惣菜」らしい一品ですが、調理、味上品です。ちょっと辛味のあるタレをつけて食べるうち、白いご飯がほしくなります。
そうか、この「胡瓜」、生じゃなくって、浅漬けとか糠付けとか「ぱりぱり」の触感残した漬物の「胡瓜」なんか使うと、面白いかも。そういえば「沢庵」なんかもよさそうだ。実際、「沢庵」入りの卵焼きなんてあるから、そこに「海老のすり身を加えて………」
いつの間にか《遠い目》。自分の世界に没頭してしまう私でありました。



「蔡菜食堂」の「葱油芋奶」。 かつて中国飯店で食べていたそれとは違いました。中国飯店のそれは、油濃く、塩味もしっかりで濃厚な味。日本の一般的な中国料理店で出会うことの多い、味が濃くって、ぼってり、どってり、こってりの重さが特徴。
「ね、これ「鮮蝦雲呑」ですか?」とおかみさんの王さんに尋ねました。



ひとりづつ取り分けられた「鳳爪排骨飯」。
素材のすっぽん、支配人の橋本さんを通じて確認したところ「最近TVなどでも話題になってる佐賀の「はがくれすっぽん」」とのことでした。そんなすっぽんのぶつ切り、さらには皮付きバラ肉の焼き物の「焼肉」、干し椎茸、筍。いずれも「紅焼水魚」には欠かせないもの。それに、干し湯葉の「腐件」も。
「冬瓜」の芯にある種を取り除き、果肉を残して下拵えし、具材と「上湯」を入れて湯煎蒸しにした「冬瓜盅」。切り込みのある「冬瓜」の果肉の上に乗っかっているのは、ローストした家鴨の「焼鴨」の肉片、蓮の実の「蓮子」、干し貝柱です。それに、角切り状の冬瓜の果肉が覗いて見えます。具材としては豚腿肉の「痩肉」、むき蝦に新鮮な貝柱。ということからすると新鮮な魚介を素材した「海鮮八寶冬瓜盅」という趣向です。
画像でも明らかなように、茹で海老、キウイ、リンゴの賽の目切りにドレッシングが和えてあって、傍にマスカット、檸檬とライムのスライス。最初、大皿に盛られて運ばれた時、素材を覆いつくしていた「沙律醤」。みるからにぼってり、こってり、カロリー高めな印象。
香港の広東料理が栄華を極めた80年代、一世を風靡したのが「新派広東」。
今月は各種焼き物の取り混ぜじゃなくって「焼肉」だけの前菜。「焼肉」が大好物のi-podさんに恨まれそうだ。それも「溶き芥子」と「砂糖」が小皿に添えられて登場!
「トントロ」!近頃、焼肉屋で人気のメニューのひとつだそうです。近所のスーパーでもパック入りの「トントロ」をみかけます。ですが、私は日本の焼肉屋では未体験。スーパーで買ったこともありません。

見かけ、胸肉の塩焼きのよう。ですが、噛み締めると弾けるものがある。






「馬拉盞通菜/空芯菜のマレーシア風炒め」ってことですから、山下さん、柏木さんに頼んでどんな、それにどこの「馬拉盞(醤)」を使ってのものなのか、聞きそびれましたが、多分、タイ産のそれのはず。
「これにお酒を注ぎ入れ、火をつけましてアルコールを飛ばしまして、その後、上湯を注ぎ入れまして、湯引きにいたします。あの、ここでアルコールに火をつけて調理したり、上湯を入れて湯引きしますと汁が飛び跳ねたりしますので、別の場所で調理したものをお持ちしますから」と、柏木さん。
「火焔酔翁蝦/活車海老の紹興酒おどり特上スープ湯引き」。
「花旗参」は野生のアメリカ産の人参、アメリカ産の朝鮮人参なんて語る人もいます。「党参」はききょう科のヒカゲノツルニンジン。これも漢方素材としては高価な貴重品。「紅棗」はなつめ。「杞子」はクコの実。「淮山」は干した山芋。
さて、まずは前菜。今月は「廣東焼味盆/前菜盛りあわせ」。一番手前が「焼肉」。その後ろ、右から「焼鴨」、「白切鶏」、「叉焼」。さらにその左、みょうがと白菜の漬物だっけ?あれれ、忘れちゃった。その後ろにあるのが「バラフ」。初めてです。
ひとつは「苦瓜」。見つけた時には思わず小躍り。香港の市場で見かける「苦瓜」と同じだったからです。沖縄産、及び、現在日本の市場で一般的に流通している表面とげとげで濃い緑のものではなく、お肌つるつる、色あいは薄緑。 生のまんま齧ると、やはり苦い。ですが、とげとげの「苦瓜」よりも、青くて、爽快で、フルーティーな甘味がある。
そういえば譚さん、dancyu「本格焼きそばに挑戦」(09年4月号)で米の粉から作る河粉の作り方を実践指導し「もやしと鶏肉入り中華風きしめん」を披露。 それにしても「河粉」を「中華風きしめん」だって。それはないでしょうdancyu君。
真ん中に居座るのがすじ肉の「牛根」、その周りが「牛腩」。いずれも、その色合い、醤油、蠔油で味付けして煮込んだ焦げ茶じゃなく、ライトなキャメル・カラー。なんてことからも、フツーの「牛腩」、「牛根」とはひと味違うのは歴然のはず。
緑系は3種。香菜、あさつき、漬物で、濃緑から浅い緑へと緑のグラデーションを形成。
こっくり、濃厚気味な味なのに「涼味」がしっかり顔を覗かせるあたり、これぞ「夏」のスープ?