2009/08/27

閑話休題~カンピロバクターの1

 22日、明治座で石川さゆりの「2009コンサートツアー」の夜の部を観賞。
 「天城越え」。
 ストップモーションをリアルに再現してくれるエンディングの見得。最高の見ものです。
 思わずリプレイをクリックしたくなったりして。

 新曲「桜夜」、第一部、第二部で2回披露。 その第二部での「桜夜」の最後のサビ、だっだっだっだと爪先立ちで客席に迫っていく歌の踏込みが、実にスリリング。今週金曜日、朝日新聞の夕刊、文化欄にステージ評が掲載されますので、詳細は後日。

 終わって、担当氏と打ち合わせを兼ねて一杯。明治座は浜町ですから近場なら人形町。浅草も近い。ですが、思いあたる店、お休みの様子。なら、国際フォーラムの公演の後と同じになっちゃいますが、数寄屋橋で焼き鳥。

 久々の訪問です。
 到着早々、酒を頼むよりも前に「ソリ(レス)」の有無をチェック。

 だって「ソリ(レス)」が食べられないなんて、ここに足を運んだ意味がない。

 「あります。でも、ボンボチは終わっちゃいました!」
 「ボンボチはなくてもいいです。「ソリ(レス)」さえあれば!」

 「それと、あの、新製品があるんですけど!」
 「は?新製品って?」
 「いや、あの、背中の付け根のところにある筋肉、2本あるんですけど、一羽で都合、4本」
 「それがあるわけ?いきます、いきます、それ、それ。で、なんていう部位!」 
 「いや、一応、インナーマッスルってことで!」 
 「インナーマッスル?」と、思わず復唱!
 「ふ~ん」となんだかその名称に、一瞬、疑惑の眼差し。
 でも、試さない手はありません

 それから他にあれこれ注文
 「ね、刺身、メニューから消えちゃってるけど!」
 「いやあ、あの、それ、あ、ご存知ないですか。ほら、カンピロバクター食中毒の一件があってから・・・」
 「す、すんません、もっぺんお願い、なんだって?カンなんだっけ?」
 「カンピロバクターです。で、生肉関係は控えるってことで・・」
 「なるほど、私、近頃、外食から遠ざかってる上に、焼き肉関係とか全然、でかけませんから、そういう事情にうとくって」。
 なんてことで、最近の焼き鳥、焼き肉店での生肉事情を知りました。

 ここでは“とりあえず「ビール」”に匹敵する“とりあえず「わさび焼き」”。
 さっと炙った胸肉とわさびの鼻つん、それにひりが・・・
 のはずが、あれ?あれ?なんだかこれまでと様子が違う!

 肉はしっとり、ねっとりじゃなくって、繊維質。しかもチュウイー。噛み締めれば、甘味が次第に浮かび上がる。その甘味と、鼻つん、ひりとしたわさびの相性がいい。これまで未体験の新しい美食世界に頭をつっこんだ感じです。

 「ね、わさび焼きって、こんなにチュウイーで、噛み締めると甘い味がしたっけ?しかも、今までと違う甘い味。火が通した肉の甘味、旨味、風味なんだけど、なんだか新世界!」
 「いや、ほら、レアじゃないからじゃないですか?」

 言われて、「あ、そうか!」と納得。
 これまでの「わさび焼き」、表面炙って、中はレア。いわば「たたき肉」状態。
 それが、今回のは、火をさらに通してある。そんなことに気づかないなんて、私もいい加減、大雑把な人間です。

 言い訳じゃないですが、火の通り加減、ミディアム・レアの手前ぐらいで、噛み締めればチュウイーながら、ジュシーな肉汁が浮き立つ。レア状態よりも甘味が立つ感じ。塩の加減、そう、按配も見事です。そこに生まれた未知の美味の世界に入り込んじゃいました。ですから、かつてわさび焼きは、たたきそのまま、中はレア、なんてこと、すっかり忘却の彼方、だったという次第であります。