2009/08/12

夏到来!~09年7月の「赤坂璃宮」銀座店の8

 締めくくりの「面・飯」。
 なんと「乾炒沙河粉/自家製河粉の炒め」の登場です!!!!!!!!!!

 先月に続いて「赤坂璃宮」銀座店の自家製の幅広ビーフンの「河粉」が登場。 先月は牛のばら肉の「牛腩」と筋肉の「牛根」を「柱侯醤」で煮込んだ具にしたスープ仕立の「柱侯牛腩河/牛バラ肉入りスープ河粉」。

 今回の「乾炒沙河粉」は、先月もふれたdancyu「本格焼きそばに挑戦」(09年4月号)で譚さんが米の粉から作る河粉の作り方を実践指導。「もやしと鶏肉入り中華風きしめん」を披露して以来、大藤さんを通じてリクエストしていた一品。

 幅広ビーフンの「河粉」については先月の「柱侯牛腩河/牛バラ肉入りスープ河粉」のところで触れた通り。「河粉」を素材にした料理の中でも一番の好みは牛肉を具にしたドライタイプの「干炒牛河」なんてこともふれました。

 ドライタイプ?どいうことそれ?なんて思われたかもしれません。
 というのは「河粉」の炒め物、その具材の主素材が「牛肉」にしろ「豚肉」にしろ、野菜も一緒に炒め合わせる。

  その際、具材だけを炒め合わせ、とろみをつけ、あんかけ状にして、油通しというか素炒めした「河粉」に乗っけるのがウエット・タイプ。「菜遠牛河」、あるいは「牛肉炒河」というのが、その料理名。

 それとは違って牛肉や野菜と「河粉」を一緒に炒め合わせたのがドライ・タイプ。「干炒」と料理名についてます。「干炒」とあるように、素材に調味料やだしを「河粉」にしっかり絡み合わせ、調味料、だし、煮汁の気配なし。面に味がしっかり絡んでだし、煮汁のない「ソース焼きそば」みたいなもの。

 ところが、です。乾燥物を戻した「河粉」、ことに米の粉を溶いて蒸籠で蒸して1枚づつ丹念に仕上た生の「河粉」はその扱いが実に厄介。水っ気、水分を含んだものですからそれを炒めるとなるとかなりのワザ、技術が必要、というのは「河粉」を実際に扱ったことがある人ならご存知のはず。

 日本では広州の「沙河粉」はじめ、本場ものに「河粉」の入手が難しい。タイやベトナム産のは幅広ビーフンでも代用化。ですが、広州の「沙河粉」は特有の透明感がありますし、滑らかさ、舌触りが異なる。生の「河粉」を作る面倒さもあってか「きしめん」で代用というのが一般的。

 もっとも、茹でて、水っ気を切った「きしめん」は、まさしくうどんのそれ。というわけで、乾燥した「河粉」、生の「河粉」とは違う代物。むしろ緑豆の澱粉から作った「粉皮」に似ています。ぺろっと滑らかで、くたくたのへろへろの触感ですから。

 そういえば「その店の「炒飯」を食べれば、店の料理の良し悪し、料理人の技量がわかる!」と豪語される方がいますが、それって、相当に当てにならない話。それよりも「その店の「河粉」の炒めものを食べれば、店の料理の良し悪し、料理人の技量がわかる」というのがはるかに真実、本質をついた話であることは、香港の料理店の経営者、優れた料理人の多くが語ること。福臨門の徐社長もそんな話をしてましったけ。

 かように「河粉」の炒め物は、料理人の技量を問われる料理人泣かせの料理です。
 はたして「赤坂璃宮」銀座店の「乾炒沙河粉/自家製河粉の炒め」や如何に!