2009/08/28

夏・真っ盛り!09年8月の「赤坂璃宮」銀座店の1

 今年の夏、なんだか蒸し暑いだけで、すっきり、くっきり、はっきりしない夏。カキーンと青空にギンギラのまぶしい太陽!なんて感じの夏日、出会えないまんま、なんだか夜になると秋の気配。そよ風がそれを物語ってます。

 今月の「赤坂璃宮」銀座店のメニューは、なんだか変、いつとは違った今年の夏にうってつけの内容でした。汗よりも湿気がべっとり肌にまとわる蒸し蒸しの日々に、ダラ~ととウダけた体を浄化し、肉体と精神をキリリと引き締め、滋養の補給も怠りない、なんて感じの料理がずらり。
 まずは「脆皮焼腩肉 皮付き豚バラ肉のクリスピー焼き」。

 今月は各種焼き物の取り混ぜじゃなくって「焼肉」だけの前菜。「焼肉」が大好物のi-podさんに恨まれそうだ。それも「溶き芥子」と「砂糖」が小皿に添えられて登場!
仔豚の丸焼きに「砂糖」というのはよくあることです。

 カリカリに焼かれた皮の部分に砂糖をつけて食べると旨い。北京ダックも胸下の皮だけの部分なども「砂糖」をつけて食べると旨し。ですが、なんで「溶き芥子?」。

 香港では体験なし、私にとっては今回が初体験。

 そうか、これは脂身と肉の部分につけるんだ!ってことで「溶き芥子」をちょびっとつけると、脂身の旨味、甘味にピリリのひりから味が加味されて、甘味がしまります。

 そういうことか!

 そんな「脆皮焼腩肉」とともに前菜の焼き物として「辣焼猪爽肉 トントロの釜焼き」が登場。

 「トントロ」!近頃、焼肉屋で人気のメニューのひとつだそうです。近所のスーパーでもパック入りの「トントロ」をみかけます。ですが、私は日本の焼肉屋では未体験。スーパーで買ったこともありません。

 スーパーなんかで売られてる「トントロ」。その見かけ、なんだかばら肉の一部のようですが、厳密には顎から肩にかけての首根っ子の部分。ということで、頬肉などと同じく肉の部位じゃなく、モツ、内臓の類扱い。

 脂肪に包まれていて形状は平ったい。肉そのものは掌2倍程の大きさで、横からみるとその端っこは尖角状で次第に幅をましていく。といっても、厚いところで3センチほど。しかも、肉、霜降り状にサシが入ってるのが特徴で、焼いたりするとその脂がとろけ落ちる。余計な脂がおちた後の肉は、甘味ほどほど、すっきりの感じで、最初の見かけからするとさっぱりの印象。というのが人気の秘密だそうで。

 そんな「トントロ」を釜で焼くアイデアを思いついたのは、なんと袁さん。日本ではモツ、内臓扱いの部位の「トントロ」ですが、香港ではその味わいから「爽肉」、中国本土では部位の名称そのまま「頸肉」ってことで知られてきたそうです。

 で、その下拵え。「トントロ/爽肉」がの周りは脂肪。しかも、肉質はサシがたっぱり入った霜降り状態。という特徴、持ち味を考慮。ちなみに、袁さんによれば今回は「食紅・辣椒粉・砂糖・塩・蒜粉・レモングラス」で下拵えし、釜で焼いたもの。

 リッチな焼き豚!というのがその印象。霜降り状の脂が焼き落ちたものの、しっとり感のある歯ざわり、触感で、かみしめるとほのかにじんわり甘味が浮き上がる。

 一緒に用意されたのは先月の「白切鶏」のタレ同様、醤油ベースのタレできりりと肉の味、甘味を引き締める。しかもそのタレ、めりはりが利いていて、ちょっと角ばった感じ。どことなく。日本の中華料理での醤油使いに似てる印象。















 甘味はOK。ですが、もうちっとおだやかさ、まろやかさと酸味がもう少し、なんて印象。醤油が立ってるようで、付けたれとしての香り、風味がいまひとつ、なんて思いながらも「トントロ」、しかも、一味唐辛子の粉を使って辛味を特徴付けた、なんてことからすると、これはこれでokなのかも。

 なんてたって「トントロ」の登場に驚いたのでありました。