おっといけない。今月も危うく月越えになりそうになった『赤坂璃宮』銀座店の月例報告。
9月に入り『秋の訪れ!』、というわけで9月らしく夏の名残と秋らしい素材を使ったメニューが登場。
まずは前菜、「廣東前菜盆/璃宮特製前菜」ということで焼き物を組み合わせた一品が復活。
前中央が皮付きバラ肉の焼き物の「焼肉」、その後ろ、左から「叉焼」、伊達鶏の醤油漬けの「桶子豉油鶏」、家鴨の焼き物の「焼鴨」。その右、ちょっと離れて、鶏肉のレバーの焼き物の「蜜汁鶏肝」。
「焼肉」の皮の「ぱり、さく」感、肉のしっとり具合。
「叉焼」や「鶏肝」のタレの甘味の按配、「焼鴨」の皮の焼き具合、「伊達鶏の醤油漬け」のこくがあってひねた感じもする漬け汁がしっかり染み込んだ皮、その上に「葱」の微塵入りの付けタレがちょこんと乗っかっているのが面白い。そして、肉のしっとり感。
以上、4品、見かけはこれまでの前菜と同じようですが、口して、唇や舌に触れる触感、噛み締めた時の皮や肉の質感、味付け、風味が、これまでと微妙に違うってことがわかります。
お皿の左に添えられた野菜3種、「茄子」、「金針菜」に、なんと「はぐら瓜」。
「はぐら瓜」は以前、埼玉、東松山の加藤紀行さんのを紹介したことがあります。「白瓜」の一種らしく、「白瓜」と「まっくぁ瓜」を交配させたもの、なんて話もあるそうで。その果肉、「白瓜」のような瓜らしいぱりっとした触感がありながら、瑞々しく潤んでいて、青い味、酸味と、なによりもフルーティーな甘さがあるのが特徴。
今回の「はぐら瓜」、ぱり感があっても、青さ、青い味は過ぎて、瓜特有の清廉な味わいにちかく、甘味も控え目。 ほんの少しの「はぐら瓜」ですが、夏の名残。その存在をしっかり主張。
3種の野菜は3様の味付け、切り方(包丁仕事ですね)による触感の差異、これまた、唇、舌に触れて、噛み締めてわかる、という寸法。奥の「海蜇(くらげ)」は、パリポリの噛み応え。しかもメリハリのあるきりりと引き締まった味付けと、そのパリポリ感がマッチング。
この前菜、小さなお皿にそれぞれ一切れづつながら、それぞれの味、触感の変化が色々楽しめます!