メニューに「八寶冬瓜盅 五目入り冬瓜の器入り蒸しスープ」とともに、この料理名を見つけて、私は興奮。すっきり清廉な味わいで体内の熱を放射し、すっきり爽やかな気分にしれくれる「八寶冬瓜盅」もいいですが「紅焼活水魚」はそれを凌ぐ私の好物。
すっぽんは滋養効果のある食べ物、だってことは多くの方がご存知のはず。精を付けるには格好。それに、甲羅の端っこ縁側の部分はコラーゲンたっぷりで美容効果は絶大。とはいえ、その形態から遠慮されがち。
それにすっぽん、体を温める効果大ってことから、冬の料理とされがちですが、関西あたりでは夏場に精をつける料理として一般的、なんて話、以前にもしたような。そうです、スッポンを丸ごと料理した「まる鍋」はその最たるもの。とはいえ、値段のはる高級な素材ですから、そう簡単には手が出ない。
すっぽんを素材にした代表的な広東料理といえば、やはり「紅焼水魚」。すっぽんの醤油煮込みです。はたせるかな「赤坂璃宮」銀座店、袁さんの手になる「紅焼水魚」。その基本を守りながら、独得の工夫がありました。
素材のすっぽん、支配人の橋本さんを通じて確認したところ「最近TVなどでも話題になってる佐賀の「はがくれすっぽん」」とのことでした。そんなすっぽんのぶつ切り、さらには皮付きバラ肉の焼き物の「焼肉」、干し椎茸、筍。いずれも「紅焼水魚」には欠かせないもの。それに、干し湯葉の「腐件」も。
その味付け、丸ごとのにんにくがごろごろ!というのがポイントのひとつ。香味野菜として効果だけでなく、火がしっかり通り、ホクホクの状態を通り越し、ねっとり柔らかくなったにんにく。これが滅法旨くって、つい頬張ってしまいます。食後のにんにくの匂いなんかのこと、気になんかしてられませんから。
それよりも味噌の味がする。そのこく、風味からすると「柱侯醬」?それに「陳皮」の味、風味が鼻筋をくすぐる。念のため、橋本さんを通じて確認したところ、いずれもどんぴしゃでした。
これまで「紅焼山瑞」、日本産のすっぽんを素材にした「紅焼水魚」を食べてきました、今回の「紅焼水魚」は「柱侯醬」の味噌の味が加減強め。くせのある、というよりも個性の強い野味素材に「柱侯醬」を組み合わせるのはよくあること。なんてことにならって、袁さん「柱侯醬」を加減、多めにしたのかも。
すっぽんで一番の味わいところは、甲羅のハジっこの縁側のペロペロ。思わずむしゃぶりついて、徹底的に食べ、嘗め尽くします。皮下の脂肪分や赤身も独得の味、風味ある。そうか、人によっちゃ、そのクセ野味が苦手!なんてことで、もしかして袁さん、味噌の味、加減、多めな感じにだったのかも。
「ひやー、どうしょ。これ、手ですよね、手!爪、爪がついてます!さすがに私・・・・」なんて悲鳴があがります。そう、手足の部分、ぶつ切りのまんま、煮込まれてますから。「そこんとこも美味しいんですから。なんなら、私、その部分ひきうけましょうか?」なんて私が声を上げるまえに、声があがる。
すっぽんは、甲羅の縁側もそうですけど、どこの部位だって私はむしゃぶりつき、しゃぶりつくし、残るは骨のみで、すっぽんさん、なんまいだぶ!
さて、すっぽんを食べた効果や如何に!