もう一品。春ならではの素材ということで豆類の料理。
「蚕豆(空豆)」と「蜜豆(さとうさや)」があるってことでした。それも「蚕豆」なら漬物の「雪菜」と「えび」か「いか」炒めた「雪菜蚕豆圍蝦魷魚」。「えび」や「いか」でもなく「伊勢えび」に替えるのもあり、なんて話でした。それから「蜜豆」は「咸魚」風味で炒めた「咸魚炒蜜豆」がお薦め、なんて話。さて、どうしよう?
「蚕豆」といえば香港の上海系の店、上海の食堂や揚州で紹興酒漬けを食べたことがあります。それに「枝豆」の「毛豆」と「雪菜」を生唐辛子の「紅辣椒」風味で炒め合わせた「雪菜毛豆」は、作りたてのもにしろ、冷ましたものにしろ、この季節、必ずとる一品。酒のつまみとしてもおかずとしてもうってつけですから。
そうか「雪菜蚕豆圍蝦魷魚」は「雪菜毛豆」の「毛豆」を「蚕豆」に置き換えたってことだ。広東料理店でもそんな風にして出してるなんて知りませんでした。そういえば「蚕豆」と「雪菜」のスープ仕立て、なんてのがありましたっけ。
それにしても「蚕豆」にしろ「毛豆」にしろ「雪菜」などの漬物で炒め合せ、時には生の「紅辣椒」の微塵切りで風味漬けというのが面白い。ざっくばらんで気取りのないお惣菜的一品です。
「「蚕豆」にしても「毛豆」にしても、茹でたり、蒸したり、火を通すと、独得の強いクセのある「臭い」がするでしょ?だから、あの「臭い」を抑えるのに漬物と一緒に炒めあわせるんです」なんて話に「ふ~ん、そうだったのか、成る程!」と納得。
「匂い」じゃなくって「臭い」というのが面白い。そうです、「蚕豆」しろ「枝豆」にしろ、茹でたり、蒸した時のあの匂いの受け止め方、中国、日本ではまるで違う、ってことですね。
日本だとあのクセのある独得の匂い、香り、風味こそが味わいところ、なんてのが一般的じゃないでしょうか。ことに、山形産の「だだ茶豆」など、あのクセのある香りが倍増、なんてところが味わいところ。そんなことからすると、もしかして香港の人に「だだ茶豆」を出せば、鼻をつまんじゃうかも!それに、もしかして「豆ご飯」も、アウチ、なのかなあ。
一方の「咸魚炒蜜豆」。「炒めた「蜜豆」の甘さと、「咸魚」の塩味、それに旨味がうまくマッチして、とっても美味しいです」なんて話に、そそられます。
私、「咸魚炒蜜豆」は未体験。それも、福臨門がストックしている「咸魚」、半醗酵でクセのある味、風味、とりわけ芳醇な香りを撒き散らす「梅香」ものの「馬友」があるのを知ってますから、大いにそそられる。「咸魚」好きな青木さんなら、即座に「咸魚炒蜜豆」に決定しそうだな。
迷った挙句「雪菜蚕豆魷魚圍蝦」に決定。