陸羽茶室の「豬肺杏仁湯」は陸羽茶室の名物、看板料理のひとつ。「陸羽茶室」でデイナーを楽しむ時には欠かせない、外せないほどの逸品。
「豬肺杏仁湯」、陸羽茶室だけに限らず伝統的な広東料理、しかも「家郷風味」を看板にする広東料理店なら必ずといっていいほどメニューにあります。たとえば○○の△△や○○の△△。それに○○の△△(意地悪ですねえ!)。
おまけに「金銀菜」というのに大いに惹かれまして。つまり「金」というのは干したひね味のする「広東白菜」。「銀」というのは甘味と独得の味、風味がある新鮮な「広東白菜」。そのふたつを組みあわせる、なんて日本の広東料理店では滅多にない。
それだけじゃありませんでした。この「金銀菜豬肺/豚の肺と広東白菜入りスープ」には豚の肺だけじゃなくって豚のレバーも加えてありました。私は初体験!
この種の煮込みスープの煲湯。素材の持ち味がそのまま煮出した素朴でほのぼのとした味、風味が特徴です。体に良くってほのぼのとしたこころ和むスープです。しかも杏仁の苦味、渋味、蜜棗の甘味が、スープに滲み出てます。
ですが、いつもとちょっと違うのは「豬肺」、さらには「豬肝」が加わって、やはり内蔵の独得の味、風味がする。それも「豬肺」そのものは味気のない感じですが「豬肝」はやはり血の味、鉄分が入り混じった独得のクセ、匂いがある。それをほのかな感じにしているのは「杏仁」と「蜜棗」、でしょう。
そしてスープそのものは滋味深くて、しみじみとした味わいあり。
出し殻、抜け殻の「豬肺」。まるでスポンジ状で、口にいれればホワットした触感ですけど、噛み締めると肺に残っていたスープがじゅわと滲み出る。「豬肝」は、ねっとり感こそ薄れてますけど、ぷるんの触感で、上湯とたまり醤油仕立てのたれに浸して食べると、乙な感じ。
香港の伝統的な広東料理を看板にする店では「金銀菜豬肺/豚の肺と広東白菜入りスープ」は定番の一品。ですが、日本じゃ滅多に食べられない。
それに出会えた、有りつけられたというだけでも盛り上がります。
なんてことだけじゃない滋味深い味、風味に、全員、こぼすのはため息ばかり、なのでありました。
なんてことだけじゃない滋味深い味、風味に、全員、こぼすのはため息ばかり、なのでありました。