これが旨かった。すごーく旨かった。私好みの一品でした。
調味、調理がパーフェクト。味はしっかり、風味もあり。なんといっても牡蠣が旨い。それに、牡蠣がでっかい!
その素材。生牡蠣。「火腩」とあるように皮付きばら肉の焼き物。干椎茸。丸ごと一個の大蒜がごろんごろん。それから青葱。
味付けはだしの「二湯」、それからオイスターソースの「蠔油」、醤油にたまり醤油の「老抽」によるもの、らしい。厳密なところは聞きそびれました。
で、牡蠣。でっかい。牡蠣の中でも私の好みのひとつである大船渡の赤崎の牡蠣。それも「シダッチ」もしくは「三陸シーファーム」の3年ものの牡蠣。方形の網籠に並べ入れた団地型共同住宅的養殖ではなく、牡蠣の根本に穴を開け、テグスで通して海に沈める個別型養殖のそれ。
我が家で作る「シダッチ」もしくは「三陸シーファーム」の3年ものの牡蠣のカキフライやソテーの味、風味に似てるなあ。その中国風仕立て。なんて思ってたら、その後、「赤坂璃宮」銀座店の牡蠣は「シダッチ」の「赤崎冬香」と判明。柏木さんが教えれくれました。
実に食べ応えのある牡蠣です。それは分量的にも、それ以上に味、風味に関しても。
で、一緒に煮込まれた皮付きバラ肉の「焼肉」、衣がついててだしを吸い込んでます。
ですが、頬張り、噛み締めると、肉の味、ジューシーな肉のあじ。まんまの「焼肉」もいいですけど、こうやって煮込まれた「焼肉」の味もなかなかのもの。
そして干椎茸がうまい。戻した干し椎茸は旨味たっぷり。しかも独得の風味がある。
それから、丸ごとごろんごろんの大蒜。これが旨い。ほくほくの感じで甘味があります。面白いことに油で炒められ、煮込まれた大蒜。生の大蒜のあのひり辛が薄れて、旨味、独得の風味、それにこく、みたいなものが滲み出る。
葱というよりも分葱のような感じですが、根本の白い部分は5~6センチほどの長さ。それが、青いところはその倍くらいの長さ。葱にしろ分葱にしろ、根本の白い部分と先っぽの青い部分、それぞれに持ち味が異なります。それも火を通すと、その違い歴然。辛味、甘味、それにとろ味なんてのもあって、本来は風味づけのはずの葱ですが、味わいたくなります。
この「火腩生蠔煲/牡蠣の土鍋煮込み」、ご飯に乗っけて丼仕立てにするのもいいかも、なんて思いました。