2009/12/23

秋深し~09年11月の「赤坂璃宮」銀座店の7

そしてデザート。
まずは、ここずっと恒例になった点心料理長の久保田さんによる伝統的な点心が登場。
 表面に白胡麻、黒胡麻をまぶした南乳風味の揚げ饅頭。名前は聞きそびれましたが、多分「酥炸煎堆仔」のバリエーションなのに間違いないはず。

食後の甘い点心の前に、言わばプチ・フールとして登場する点心の一品。 「南乳」と「胡麻」の風味が入り混じった上品で洗練された点心です。

 こんな「酥炸煎堆仔」が供されるのは、香港でも格式のある伝統的な広東料理を供する店で、豪華の宴席料理を楽しんだ後に、締めくくりの甜品の前にさりげなく供されるもの。実に憎らしい演出。

 その洗練の美味、風味は、広東料理における点心の美味の極意を極める一品とも言えるもの。
 「中国料理のデザートって「杏仁豆腐」ぐらいなもんでしょ?他に何があんの?」
 なんて人が多いですが、そんな人にこそ味わってもらいたい甜品です。

 そして、締めくくりの甜品.
色々あった中で私が選んだのは、温かい汁仕立ての薩摩芋と白玉のデザート。

 ほくほくの薩摩芋が旨い。 薩摩芋の甘味、旨味、風味を生かした点心です。ねぼけていて、とぼけたようなヌーボーとした味、風味ながら、素朴で純な味わいにひかれます。 それに白玉、なんてことない白玉。これまた素朴で純な味わい。

 薩摩芋にしろ、白玉にしろ、なんだか懐かい。郷愁を覚えて、思わず頬がゆるんでしまうような微笑ましい味わい。心のこもったお袋の手作りの甘物、なんて感じで、しみじみと味わい深い。それでいて、きちんとの甜品としての奥床しい品のよさが汲み取れる、なんてところが憎いです。