2009/03/30

家郷小菜と香港炸醤麺~3月の「赤坂璃宮」銀座店の6

 さて、「大馬站煲/焼肉と豆腐、椎茸の蝦醬風味土鍋煮込み」。「蝦醬」の味付け、風味もさることながら、主要な素材である「豆腐」と「焼肉」も要のひとつ。それに香味野菜の「韮」、味付けの「だし」の存在も見逃せない。

 まずは豆腐を一口。さっくり揚げた豆腐の表面に、煮汁が絡んで「じゅわ」の触感。
 滑らかな舌ざわり、柔らかな噛み応えです。
 中の豆腐は、純で無垢な味、そのまま。

 「美味しい、これ!この豆腐!」と声が上がります。
 「香りがいいねえ」
 「この豆腐って、ここで揚げたんでしょうね。豆腐の揚げ方も絶妙だし、「だし」が染みこんでいて美味しい!」なんて声も聞かれます。

 「「厚揚げ」にしては、表面の衣の感じ、全然違うもの。多分、この豆腐、ここで袁さんが揚げたんじゃないかな。普通、中国料理店のこういう料理だと、豆腐を揚げるだけど、「厚揚げ」を使うところもあるから。後で、確認しときます。

 そうそう「厚揚げ」でいいのがあるの。両国近くの石原町に「豆源郷」ってあってね、そこの「厚揚げ」。「湯葉」もいいんだ、繊細で精緻な味、それに風味がある」と、ついつい横道に話しがそれる私であります。

 後で、大藤さんに確認したら、袁さんが豆腐を揚げたもの。豆腐は「絹ごし」ってことでした。

 「豆腐」もいいけど、この肉も旨いね」
 「そ、そ、それ、スルど~い! これって、皮付きバラ肉を焼いた「焼肉」。表面カリカリで、脂身と肉の部分はしっとりな感じでしょ。

 実は私、この料理、結構やるんですけど「焼肉」が手に入らないから、豚ばら肉でやるんですが、なんだか今ひとつ、なんですよ。豚ばら肉じゃなくって、この「焼肉」じゃないと、旨さ、味わいが引き立たない。ほら、この「焼肉」の「かりかり」、「ざらざら」の表面に「だし」が絡んで、揚げた豆腐の触感とは対照的でしょ?それに脂身と肉が重なり合ったところも、普通に豚ばら肉を揚げて煮込むのと、「焼肉」のように窯で焼いて自分の脂で脂と肉を焼きながら、余分な脂を落としてジューシーに仕上がってのとでは、確実にひと味、違いますから」と、私。

 「それよりこの料理の味付け、ご飯がほしくなるおかず、ですね!」
 「そ、そ、ご飯がほしくなるおかず、ですね。香港、てか、広東地方ではそれで有名ですから。その要が「蝦醬」なんですよ」と、知ったかぶりの私です。

 「でも、クセがあって、香りというより匂いの強い「蝦醬」を使ってあるのに、強烈じゃないのが不思議だね。ほのかになんて感じで、旨味と風味があるし、コクのある味付けなのに、すっきりしてて上品だ!」
 「ほんと、上品で優しい味!」。

 実際、皆さん、「蝦醬」に火を通した独得の匂いは、さほど感じなかった様子。
 それでも、ひと味違う味、風味、しかも、こくがある、ってことには納得。
 「だから、やっはりご飯と一緒に食べたくなりますね。そんな味付けですもん」

 といった次第で「大馬站煲/焼肉と豆腐、椎茸の蝦醬風味土鍋煮込み」、大いに盛り上がったのでありました。