2007/11/25

中国料理におけるメニューの選択、コースの組み立て(その1)

 そう、中国料理のコースの組み立てってややこしくって面倒だ。
 私の場合、昔も今も、それが唯一の趣味、息抜きです。もしかして、老後の一番の趣味になりかねない。とっくにじじいじゃん、という声も聞こえますが(プンプン!)。

 誰だってそうだと思うのですが、中国料理を食べたい、中華を食べたいと思い立って店に出かけるとき、すでに頭には思い描く料理がある。中国料理だけに限らず、フレンチ、イタリアンの店に出かける時もそうじゃないでしょうか。

 例えば私の場合、フレンチの店に出かけるとなると、まず思い浮かぶのは、前菜にパテ。メインは内臓の料理か牛肉以外の肉料理、家禽類、ゲーム類。メインで牛肉を取るといのはほとんどありえない。バヴェット・ステーキ、それも、草を食み、土も一緒に食ってる牛の「涎掛け」なら触手もそそられる。が、米国の輸出政策にまんまと乗っかり、とうもろこし育ちで、火を通すと匂いふんぷんの脂、刺しの入った肉には手がでません。ブランド物の牛に限ってそういうの、多いと思いませんか。

 ともあれ、パテ、内臓、牛肉以外の肉、家禽類、ゲーム類を思い浮かべながら、店に到着後、メニューを点検して、素材、調理、調味を確かめ、軌道修正しながら、その日のメニュー、コースを決定。イタリアンの場合だと、前菜にパテはないからハム、ソーセージ類。パスタは手打ちか料理方法や素材に凝ったリゾット。メインはやはり牛肉以外の肉料理、内臓類、家禽類、ゲームの類。で、フレンチだと、前菜にメインを1種か2種。イタリアンだと、前菜、パスタかリゾット、メインといった基本構成。しかも、たいていの場合、選択肢が限られていたりするもので、メニューも選びやすい。

 ところが、中国料理の場合、フレンチやイタリアンのように、前菜、メイン、もしくはメイン2種であるとか、前菜、パスタ、メインといったコースが用意されていて、それぞれ選択というような按配にはいかない。

 最近でこそオーナー/シェフが看板の店で、2人から楽しめるコース料理を用意している店がある。しかも、小皿中心で、フレンチやイタリアンなどより、品数、皿数重視の傾向が強い。面倒な時にはそんなコースにするなんてことも可能です。

 とはいっても、目当ての店にでかけるには、必ず目当ての料理があるもので、それがコースに含まれてないと、なんだかなあ、どころか愕然となったりすることもありうる。
 それに、中国料理店のほとんどで用意されているコースは、最低でも8人頭数がひつような宴会用のメニュー、だったりするものです。

 ふと思いついて中国料理って場合、いきなりの話になりますから、まずは2人。集められて4人。6人ということになると、やはり前もって日を決めて約束、ってことになります。

 2~4人で、中国料理を食べるでかけるとなると、そのメニュー選び、コースの設定は実に厄介。食べたいものがあってこそ出かけたはず。が、その料理、1品だけで済ませられるわけがない。

 結局、目当ての1品か2品、それ以外に何か美味しいもの、目新しいものが食べたい、とメニューをにらんでも、選択肢の多さ、それに、料理内容や実態がまったく不可解で想像がつかず、手が出せない。ということから、結局、味を知った、あるいは馴染みの料理で、お茶を濁すという破目に陥る。

 フレンチやイタリアンのコース料理だと、前菜、メインの選択肢が明確、だったりするのに対して、中国料理の選択肢は、膨大で未知。というのは、案外、中国料理に身近な親近感を覚えながら、実はその実態を把握出来ないまま、狭義な知識、認識しかないことを物語っているのではないでしょうか。