2007/11/17

たまたま秋に食べた味(その2)


 これ、なんだと思います?油浸石頭魚。
 オニオコゼの唐揚げです。香港では石頭魚が好まれていますが、収穫量が少ないのか、稀少な魚ということで、店に石頭魚が入荷しているのを知れば、すぐさま注文する人が少なくない。
 一時、この石頭魚を常備し、各種の料理を看板にしていた海鮮料理店がありましたが、それ以外の料理は並。意表をついただけの料理がほとんどで、旨さも風味もいまいち、ということから、結局、その店には出かける気をなくし、試しませんでした。
 私が、食べたのは、魚の吟味で信用できる店でのことで、何回か食べたことがあります。稀少な素材らしく、入荷があると教えてくれるので、それを知ると即座に注文したものです。
 《清蒸》、つまりは蒸し物で食べるのもグッドなら、《椒鹽焗》、つまりは、塩、胡椒味の炒め蒸しもグッド。それに《油浸》の唐揚げがなかなか。根魚独特の泥臭さがありますが、その身、白身で、唇に触れ、舌を撫でる感じの柔らかさ、それでいて肉質は緻密。この種の根魚、シュワシュワの触感を特徴としていますが、それよりも身が締まってして、ホロリ、ハラリと身が崩れる感じ。ということでは、石斑の肉質に似ているかも。
 日本でも、オニオコゼ、ということで、収穫があるらしいのですが、場所が限られ、旬は夏、ってことらしい。
 実は香港の石頭魚は、ダルマオニオコゼ、だったか、まるでダルマのようなぼってりの感じ。日本のそれは、一応、魚に似て細長の感じ。肉質も、香港のものよりも緻密な感じ。
 久しぶりのオニオコゼとの再会。香港のそれとは肉質、味、風味は異なりましたが、再会にめちゃくちゃ感激!旨かった。稀少な魚ですから、それだけでも、盛り上がっちゃいます。
 そんなオニオコゼに出会って、感激の秋の一夜でした。