2010/01/05

2009年に出会った美味の2の2

 2009年に出会った美味の2の2。
 「赤坂璃宮」銀座店の昨年のベストの続きです。
 「湯類」のベスト、ナンバー1は「順徳魚雲羹」。
 続いて、広東地方の郷土料理の大菜、小菜の類の部です。
 思い浮かぶのは鶏を素材にしたいくつかの料理。
 まずは「大澳香酥鶏/伊達鶏の蝦醤風味揚げ」。
 それに「家郷鹽焗鶏/比内地鶏のオーブン焼き。
 豚のレバーと炒め合わせた土鍋仕立ての「豬肝滑鶏煲/啫啫鶏煲」。

 魚介の料理では蛤を素材に茶碗蒸し風仕立ての「鮮文蛤水蛋」。
 本来は淡水魚の「鯪魚」が素材。それを鱸に替え、つみれ団子仕立てにして揚げ、「蜆介醤」で炒めあわせた「蜆介炸魚球」。
 白身魚のぶつ切りを皮付きバラ肉の「焼肉」と煮込んだ「蒜子火腩魚球煲」。
 大船渡、赤崎のシダッチの「赤崎冬香」と皮付きバラ肉の「焼肉」と煮込んだ「火腩生蠔煲」。
 以上の内、「鮮文蛤水蛋」と「火腩生蠔煲」は旬の素材を使った季節料理。

 豚肉の料理では南乳風味のスペアリブの揚げ物の「乳香脆排骨」。
 それから豆腐料理ですが、豆腐と皮付きバラ肉の焼き物の「焼肉」を揚げて土鍋で煮込んだ「蝦醤」の風味の「大馬站煲」。

 野菜料理では蓮根と豚挽き肉を素材にした「家郷蓮藕餅」。
 「芥菜胆」を「蕾菜」に置き換えて上湯の煮浸し仕立てにした「上湯浸蕾菜」。
 十勝瓜を大蒜風味で蒸した「生熟蒜蒸勝瓜」。
 いずれも「走り」の素材を生かした季節料理でした。

 そうそう、前菜に出てきた塩漬け家鴨の「塩水鴨」。これが旨かった。
 それに「とんとろ」を唐辛子風味で釜焼きにした「辣焼豬爽肉」。
 私、早速、「とんとろ」のスライスではなく塊をゲット。グリルを使って「辣焼豬爽肉」をアレンジしたなんちゃって!を再現。
 「とんとろ」の噛み応えのある肉質、なんだか牛のさがり、腹身肉のバベットに通じるものがあって、やみつきになります。焼き肉用にスライスしたものより、断然、塊でゲットして調理するのがグッド。

 大菜では農歴(旧暦)の小正月の宴会に登場する盛り沢山な内容の「圍村大盆菜」なんてのに驚きました。ちょいとばかり興奮しました。
 それに「豆腐」に「なまこ」、「冬菇」を「蝦子」の風味で煮込んだ「蝦子参豆腐」の上品で洗練された繊細な極上の美味も忘れ難い。

 それから「面・飯」。
 2種の腸詰に「腊肉」を加えた「腊味煲仔飯」。
 もみじ(鶏の爪)とスペアリブを具にした「鳳爪排骨煲仔飯」。
 「柱侯醤」で牛ばら肉、筋肉を煮込んだ具を素材にした「柱侯牛腩河」。
 袁さんの鍋技の技量が物語る「赤坂璃宮」自家製の「河粉」の炒め物の「干炒沙河粉」。
 中国たまり醤油の「老抽」で味付けした「豉油皇炒面」。
 卵入り面の「伊面」を干し鮑の戻し汁の「鮑汁」で味付けした「鮑汁炆伊面」。

 ですが、なんといっても「面・飯」の極めつけは、これぞ香港の味!
 甘辛味の香港式炸醤面の「炸醤撈面」以外にありません。
 日本で食べられるなんて思いもよりませんでしたから。
 そうです、「面・飯」のベストは「炸醤撈面」。
                                                                                                                             




 そして、「八寶冬瓜盅」や「圍村大盆菜」などの大菜、それに、えびや魚を素材した海鮮料理を別にして、選んだ広東地方の家郷菜の小菜のベスト5は以下の通り。

 「鮮文蛤水蛋/蛤の中国風茶碗蒸し」(09年2月)
 「家郷蓮藕餅/蓮根と豚挽き肉の煎り焼き」(09年5月)
 「大澳香酥鶏/伊達鶏の蝦醤風味揚げ」(09年4月)
 「蜆介魚球煲/魚のすり身の揚げもの 蜆介醤添え」(09年6月)
 「家郷鹽焗鶏/比内鶏のオーブン焼き」(09年10月)

 以上の中で一品だけ選ぶとしたら・・・・・「大澳香酥鶏」に決定!
                                               







そして甜品。色々ありましたが中でも絶品だったのは鳩の卵入りの「紅蓮燉春蛋」。                                                                                      








なんてことで、昨年「赤坂璃宮」銀座店、料理長の袁さんの手になる料理のベストを選んでコースを組み立て、広東地方の郷土料理の真髄を味わう、なんて企画、なんとか実現したいと思い立ちました。

 いずれの料理とも、事前に予約の必要あり。いきなり「赤坂璃宮」銀座店にでかけて注文は不可能です。予約して楽しむだけの値打ちはあり。ですが、なんといっても日本で香港の味、広東料理の真髄が味わえるというのは実に貴重。はたして今年はどんな料理に出会えるのか。大いに楽しみです。