2010/01/25

海斑両吃~両斑三吃 10年1月の「赤坂璃宮」銀座店の1

 2010年に入って初めての「赤坂璃宮」銀座店。
 昨年の正月はお休みでしたが、今年は正月から。 正月、とはいっても日本でのこと。香港、中国、それに韓国やベトナムも農歴(旧暦)に準じてますから、春節はまだ先。今年は2月の14日、バレンタインの日。それより、春節が2月14日。ということは、今年の冬、例年よりも寒くって、まだまだ長く続く、ってことなんでしょう。
 
 さて、10年1月の「赤坂璃宮」銀座店の料理の数々。 農歴ではまだ「臘月」。とすると「臘月」に準じたものか、それとも日本の正月に準じたおめでたいメニューが並びそう。そんな期待に胸を躍らせ、テーブルに着席。 テーブルに置かれたメニューを見て、縁起を担いだおめでたい素材、料理の数々が並んでいたのに思わずにんまり。
 まずは「前菜焼味盆/璃宮特製焼き物前菜」。
 お馴染みの「赤坂璃宮」銀座店の焼き物の盛り合わせ。皮付き豚バラ肉の焼き物の「焼肉」、家鴨の焼き物の「焼鴨」に「叉焼」。

 「あれ、鶏がない!いつもより焼き物、少な目?」 と思ったら、後ほど「サプライズ・1」として鶏の料理が登場。

 付け合せの野菜は黄色い色した根菜の感じ。
 「大根?」、にしては黄色いし、色着けでもしてあんのかな?

 後日、橋本さんに連絡して尋ねてもらったら、その正体、実は黄色いズッキーニと判明。色着けした大根、なんて私も実にいい加減!
 その下には酢漬けの蕪。さらには、春らしく菜の花。 そして、皆さんが感心したのがクラゲ。
 「クラゲの頭を使っております!」。
 柏木さんの説明に「??????」。
 そう、クラゲって、傘の部分を塩蔵してもどして食べるのが一般的。
 見かけからすると頭は傘のテッペンについてるように思えますが、傘の裏の根本あたりから長く伸びている口のある部分、その辺りを頭というわけです。

 頬張ったくらげ、こりこり、パリパリの歯応え。噛み応えのある触感です。
 「これ、いいじゃん」
 「いい感じ、この噛み応え」なんて声があがります。
 味付けは「葱油」風味。ほんの少しヒリ辛の味、なのは辣油?
 なんて思ったら、どんぴしゃでした。
 そですよね、辣油なら誰だってわかりますから!

 それより気になるのは「クラゲの頭」。 クラゲの種類、色々あるようですが通称名なのがほとんど、というのはふかひれに似ていて大雑把。ですが、等級(ランク)は厳密らしい。
 色々調べたところ、食用にするクラゲで多いのがビゼンクラゲ、繁殖しすぎて厄介者扱いされてるエチゼンくらげ。それも傘の部分、ことに傘の周辺、縁側の部分が値打ちもの。どんなものにしろ「縁側」ってのは美味で貴重というわけです。そして頭の部分も貴重品。

 ということで今回の「頭」、一体どういうクラゲの頭?
 橋本さんに連絡して尋ねました。
 「キャノンボールというクラゲです!」。
 なんだかすごい名前。ネットで検索したら主にアメリカ、メキシコ沿岸で収穫という小型のクラゲで、ことに頭が美味、なんてことらしい。頭は通常8個、筒状にひとかたまりになっている、と知って驚きました。その形状が名前の由来かも。

 ともあれ、こりこりぽりぽりのくらげの心地よい触感、噛み応えと、葱油の甘味、辣油の辛味が入り混じった旨味のある味、風味を楽しみました。