2010/01/08

2009年に出会った美味、番外編

 その1、馴染みの店で食べた「鰤」と「鯖」。
 「一期一会」なんて言いますが、あん時食べた「鰤」と「鯖」、まさにそれ。 多分2度と出会えない、なんて思いました。

 その2、KKミーテイングで食べた「祇園ささ木」の「太巻き」。
 豪放磊落、奔放でいて繊細で緻密。料理人の人となりを物語る「太巻き」。
 その出来栄え、味、風味が印象的でした。

 その3、両国「豆源郷」の「くみあげゆば」。

 両国の「やわらもめん」が看板の両国の「豆源郷」。
 「やわらもめん」は旨い豆腐。かなりのレベルの豆腐ですが、これからますます進化しそうな豆腐です。

 そんな「豆源郷」で見逃せないのが「厚揚げ」と小ぶりの「がんも」。
 ことに「厚揚げ」、冬になるとこさえる「かんとだき」に欠かせません。
 なんてことない普通の「厚揚げ」。ですが、近頃、なんてことない普通の「厚揚げ」をゲットするのが難しい。なんだか子供の頃に食べた「厚揚げ」みたいに懐かしい味がするのが好きな理由。

 「豆源郷」の「厚揚げ」、「かんとだき」にする時には切り分けてますから、揚げた部分もあれば、豆腐そのままむきだしになった部分もある。ですが、周りは出しの味で包まれながら、噛み締めるとじゅわとだしの味がひろがる。なおかつ、だしと一体化した豆腐の存在が感じられる。豆腐の味がする。実は「厚揚げ」や「お揚げ」、「がんも」の類に限らず「豆源郷」の「豆腐」、何にでも寄り添いながら、豆腐の持ち味、個性と存在を発揮、というのがその特徴。奥床しい豆腐です。

 「豆源郷」でもうひとつ見逃せないのが湯葉。
 「くみあげゆば」、「まきゆば」、「平ゆば」の3種ありますが、なんといっても「くみあげゆば」。これまで何度も食べてきましたが、今年2回、「豆源郷」に立ち寄ってゲットした「くみあげゆば」、格段の進歩。

 舌にまとわるねっとりの滑らかな触感。舌を撫でていく感触がたまらない。しかもその味、濃密。しかも、清廉で素朴、純な味わい。同時にしみじみと滋味深い。うっとりとなりました。
 画像は「豆源郷」のサイトから借用。
 ピンボケなのがご愛嬌。

 店主の横井康之さんが仕込んだ豆乳を、湯煎し、出来たうすめのゆばを豆乳と一緒に汲み上げるのは横井さんのかみさんの役目。絶妙のコンビが成せる技、ってことですか。

 「くみあげゆば」も今後一層の進化の一途をたどりそう。
 ですが「やわらもめん」よりも先に高いハードル越えちゃった。
 「豆源郷」の「ゆば」、「豆腐」、揚げ物類から目を離せません。