2008/12/29

踏入冬季~12月の「赤坂璃宮」銀座店の3

 そして「雀巣蠔油牛粒/牛肉のオイスターソース」が登場。これまた、見映えの美しさに歓声があがりました。
 じゃがいもで作った巣を器に仕立てたもので、その中に角切りの牛肉、パプリカ、ピーマン、白葱に、オクラなども一緒に炒めあわせてあります。その味つけはオイスターソースの「蠔油」を使ってあるわけですが、その味付け加減、調味料の使い方、その按配が実に見事。
 そうです。これまでなんども触れてきたように、オイスター・ソースをこれ見よがしにたっぷりなんか使ってはいません。そのあたりの調味料の使い方が実に見事。というより、香港の炒めもの極意を見事に発揮したもの。
 油通しした牛肉の表面は張りがある。それでいて肉を噛み締めると柔らかい。ぱりぱりの「脆」ではなく、むしろさくさくの「酥」の触感で、身が柔らかい。しかも、オイスター・ソースの味つけ、風味が牛肉そのものの持ち味、旨味を引き立てます。
 正直、これまで食べたオイスター・ソース味付けの牛肉炒め「蠔油牛肉」では最良のものでした。上品で洗練された「味」、それにもまして「香り」の素晴らしさに思わずうっとり、ため息がこぼれたくらいですから。一緒に炒めあわせた野菜も、それぞれの持ち味を引き出していて「味」わいもさることながら「香」りが豊かです。優しくて「軽い!」のが素晴らしい。
 参りました、袁さん!