「江南百花鶏」の登場です。
「婆参荷包翅」と並ぶ今回の宴のハイライト!
福臨門の「江南百花鶏」は18年ぶりのご対面!
90年の「GULIVER」の香港取材の際、ジェイムス・ウォン/黄霑と福臨門の九龍店で対談。
黄霑は福臨門のケイタリング時代の料理を子供の頃から体験、という話もあって、当時のメニューを、というリクエストに応えて登場となったもの。その洗練された美味は、今だ鮮明に記憶に残ってます。
この「江南百花鶏」。
かつて広州には「廣州四大酒家」と称された名店が4軒ありました。
「大三元」、「文園」、「南園」、「西園」がそれ。
そのうち「文園」の名品とされたのが「文園江南百花鶏」。
HKのGOOLEで検索すれば、その話題が色々ヒット。
ここ最近の懐かしい昔ながらの料理「懷舊菜」ブームもあって、「「文園江南百花鶏」を再現!」なんて話もあります。
それがハッピーヴァレー/跑馬地のジョッキー・クラブにある滿貫廳、紅磡の黃埔花園の蔡瀾美食坊の「正斗粥麵專家」というのが面白い。
ことに「正斗粥麵專家」、さすが蔡瀾さんプロデュースのフード・モールの店です。「懷舊菜」の流行を睨んで、伝統的な料理を再現、とは目の付け所が鋭い!
そういえばこの「江南百花鶏」、90年代半ば、97年の中国への「回帰」を目前に訪れた「懷舊菜」ブームの際にも、一部の店でやっていたことから話題になりました。
家鴨に荔芋のすり身を乗っけて揚げた「荔芋鴨」などとともにです。
確か「鏞記」も「懷舊菜」を積極的に紹介した時期にやってたはず。
ところで、福臨門の「江南百花鶏」。最近になって再び話題になりはじめた「文園江南百花鶏」とは少しばかり違います。
というのも「文園江南百花鶏」は、鶏一羽、骨をこそげて身を開き、その内側にえびのすり身(蝦膠)の餡を張り詰め、それをひっくり返し蒸したもの。つまりは、鶏がえびのすり身を抱きかかえるような形にして、蒸しあげてあります。それに、仕上げには夜来香や菊の花びらをまぶしてある。
ところが福臨門の「江南百花鶏」。
画像でも明らかなように、腹ばいになって寝そべった鶏の身の上に、えびのすりみを張り詰めてあります。鶏がえびのすり身を背負ったような按配で。そこに腿の微塵切りをまぶし、卵白を加えた上湯をかけて仕上たもの。
どうして鶏が蝦のすり身を背負った格好?
たまたま日本にやってきていた福臨門の徐維均さんに話を聞きました。
この「江南百花鶏」、実は料理人泣かせで、その力量を問われる難易度の高い料理のひとつ、なんだそうです。