2006/12/24

蟹黄魚翅撈飯(5)

 ふかひれの慣例的な呼称、区別、分類は、大まかに

①ふかひれの部位によるもの、
②原びれの形状、大きさによるもの、
③原びれを加工した後の形状によるもの、
④産地、収穫地域、集積地によるもの、
⑤すでに特定、認知されているサメの名称によるもの、

として区分されているようだ。

 まず、①のふかひれの部位だが、香港などでは背びれは「只翅」、尾びれは「勾翅」、胸びれは「翅片」と表記されている。

 背びれの「只翅」は、ヨットの帆のような三角形をしているのが特徴だ。

 尾びれの「勾翅」は、上部に骨があるため、その部分は切り落とされているのと、根元がつながり、扇のような形をしている。

 胸びれの「翅片」は、乾燥後の加工処理過程で翅針がバラバラにほぐれた状態になるため散翅と称されている。

 ②の原びれの形状、ということでは、その大きさ、翅針の太さから、最上級品とされているのが「群翅」である。中でも「雙頂勾」はその最上位に位置する極上品とされている。

 「群翅」は、もともとは先にふれてきた「犁頭鰩」のひれの各部位の形状の大きさ、翅針の太さに由来する。その収穫地が中国南部、東南アジアからインドに及ぶ南沙群島、西沙群島を中心としていること。そこで収穫されたふかひれが、黄沙群、珍珠群、棉群、軟沙群と称されきたのにも関係しているようだ。
 以来、形状が大きく翅針の太いふかひれの総称となったらしい。
 現在「群翅」の代表的なものとしてあげられるのが「金山翅」である。