2008/10/01

秋の訪れ~9月の「赤坂璃宮」銀座店の4

 そして「松茸蒸斑球 ハタと松茸の蒸しもの」。
 料理名を見て、思わず「ドキッ!」。
 まずは「松茸」に過敏に反応。当然、でしょう。
 おまけに「ハタの蒸しもの」ってある。
 関西では「あこう」の名で知られる「きじはた」?
 「あかはた」?「あずきはた」?それとも「あら」?、あるいは「くえ」?

 「いずれにしても、どうしょう、すげえ、あ、いけない、すごい豪華版。でも「斑球」ってあるから、切り身ってことですけど、しかし、なんせ「はた」の切り身ってことですから、贅沢この上ない。」なんてこと思い当たったとたん、胸の動悸が収まらない。

 はたして、目の前に現れたのは!

 「ハタ!」。
 それも、まるごと一匹を蒸した料理です。
 当然、尾頭付き!
 どうやら「あかはた」らしい。

 たしかに「斑球」とあるように、ハタは切り身。
 それも、腹側から身を開いて、切り身を入れた「麒麟」スタイルでの蒸し魚です。

 突然、あの「ヘイフンテラスの謎と不思議」での、腹を開いただけ、皿の上で腹ばいのまま蒸された魚のことが甦る!

  「ワッ!どうしょう! こんなの予算超過のメニューです!」と、焦りました。
 「あ、そうか。今日は、人数がひとり増え、おかず系の料理が続いて・・・・」 なんてこと考えてもです。

 旨い!「ハタ」の身が旨い!文句なしに旨い。
 「ハタ」の切り身は、ぼってり、厚みがある。
 唇に触れる「ぎと!」っとしたぬめり感。脂が乗ってる証拠です。
  噛み締めれば、舌の上でゆるゆるの身が、はらり、ほろりと、崩れていく。
 舌を撫でるぎとぎと感。濃厚で濃密な味、リッチな風味が口中に広がっていきます。
 そのとろける感じがたまらない!















 なんといっても、魚の蒸し加減が素晴らしい。
 「ハタ」の身の上には、厚く切った松茸のスライスが。ですが、走り物の松茸の香りを越えるハタの身の旨さ、重厚さに参りました。醤油、だし、油を合わせて作ったに違いない仕上げのたれの味加減も、脂の乗ったハタの切り身とぴったり。

 それぞれに切り身が行き渡った後で「これもどうぞ!」と、大藤さんが円卓の上に乗っけたのは、ハタのお頭!
ハタの赤い皮から、頬肉の白身がむき出しになっている。
もう、見るからに美味!
しかも、大振りなハタだけに、頬肉もたっぷり。
頬のところが、ぷっくり、ふっくら。
一番、美味しいところです!
その行方は、仲間の二人に。
二人はナイフとフォークを手に、頬肉をこそぎとって、ご満悦。 

もう大満足。それにしても、なんという贅沢。
譚さんに感謝です!