久々のブログ更新は、「7月の「赤坂璃宮」銀座店」。 そうです。月例のとある会議が「赤坂璃宮」銀座店にその場所を改めたのは先月のこと。それからあっという間に一月以上が過ぎました。そして、今月、その食事内容が素晴らしかった。
なんだか譚さん、手ぐすね引いて待ち構えていたような料理内容に、これは拙ブログで報告と思い立ちました。しかもその報告、どうやら月例化しそう。そんなことからそのタイトル、大阪のlamplusさん主宰の敬愛するブログ「L'AMBROISIE +++PLUS+++」の月例のシリーズレポに倣って「7月の~」とした次第です。
今月の会議にはもうひとりの担当のK2氏も参加。東京の最新のハンバーガー情報の交換や、アメリカの南部における「豆料理事情」のあれこれ話でに盛り上がっていた最中、前菜が登場。
「先月と変わり映えしませんが・・・・」とアテンドの柏木さん。
ですが「赤いパプリカ」をめざとくみっけて、思わず、あれれ?
「ええ、パプリカの酢漬けです!」。
酢漬け、ってもしかして「泡菜?」。
だったら、先月の「湖南菜館」の「剁椒魚頭」に使われてた「剁辣醤」のパプリカ版?
酸味がしっかり利いていて、味は爽快。パプリカのほろ苦さが失せて、甘味がじんわり浮かび上がります。そのパプリカの爽やかさもさることながら、皮はしっかり焼けてパリっとした「脆」の歯触りなのに、肉質はしっとり潤んでジューシーな焼き物3種、皮の上にちょこんと微塵の葱の油あえの薬味がのっかった地鶏の醤油漬けが旨い。上品で洗練された美味です。やっぱり赤坂離宮の「焼味/焼き物」は旨い。
「湯(スープ)」は、「螺頭豬展燉湯/乾燥ツブ貝と豚スネ肉のスープ」。
「いぇい、「例湯」?」と、私はおおはしゃぎ。
譚さんが香港で仕入れたという乾燥ツブ貝、そこに瑶柱(干し貝柱)、豚のスネ肉をじっくり煮込んで作ったスープです。
香港では乾燥したツブ貝に色々な具材を加え、じっくり煮込んだスープを作るってのはよくあることです。山芋の一種を乾燥させた「淮山」や「杞子(くこ)」を加えることもあれば、魚の浮き袋の「花膠」を加え、鍋で煮込む「煲」ではなく、「燉盅」という容器に素材を入れて蒸す「燉」の料理方法で、といった豪華版もあります。
今回の「螺頭豬展燉湯/乾燥ツブ貝と豚スネ肉のスープ」は、その「燉」の料理方法によるもの。「淮山」や「杞子」などの漢方素材はなし。その代わり、ツブ貝に、干し貝柱がたっぷり。豚のスネ肉が生み出すすっきりとしただし味に、ツブ貝が生み出す磯の香、干し貝柱が生み出す旨味とひねた風味、さらにはコクがあいまって、味わいはしっかり。実に濃厚で奥深い。まるでグィ~ンと唸る豪速球がずっぽりとキャッチャー・ミットの奥深くに収まったような、ずしりと重い手応えのあるスープです。
これで、生の、あるいは、干した広東白菜や、夏なら「冬瓜」や「節瓜/毛瓜」が加われば、さっぱり系で、お惣菜としての趣の「例湯」ですが、それよりもむしろ宴席の料理の一品というにふさわしいどっしりとした味、風味の豊かな「湯菜(スープ料理)」でした。