埼玉の東松山の農業、加藤紀行さんから夏野菜が届いた。加茂茄子、真黒茄子、青茄子、はぐら瓜、四葉胡瓜、万願寺唐辛子、日光唐辛子。待望の夏野菜だ。
中でも楽しみにしてたのは四葉胡瓜。トゲトゲのイガイガつきで、水気が少なくって、身が引き締まっていて、パリパリさくさくの噛み応え。で、青くて、ほろ苦さがじんわり滲み出てくる。
ぶつ切りを醤油で、ってのもいい。薄くスライスして、酢醤油で、ってのもいい。大雑把に叩き潰して、桂林醤、醤油、酒、黒醋、黒砂糖を按配よく調味したたれに漬け込んで食べる、ってのもいい。
頑丈だから、と油で揚げて四川風に豆板醤ベースのたれで、というのは芝蘭の下風慎二さんのアイデア。チャイニーズレストラン直城の山下直城さんも加藤さんの四葉胡瓜、茄子がお気に入りだ。
日光唐辛子はダノイの小野さんがフレッシュなものが取れる間、アリオリ・ペプロンチーニにして、お勧めのメニューにしている程。ACCAの林さんも、加藤さんの日光唐辛子を気に入った様子だ。
加藤さんの野菜にエールを送る料理人は少なくない。見かけは無骨。が、頑丈でがっしり。大地の恵み、土の味がする加藤さんのじゃがいも。大きいのや小さいのがごろんごろんとしているのが当たり前だもの、とコートドールの斎須さん。ジーテンの吉田さんも、冬場の加藤さんの日本ほうれん草をきっかけに、加藤さんの作る野菜に関心を持ったそうだ。
ですが、野菜は生もの、ではなく、生き物。その年の気候によって、出来栄え、味、風味は異なる。
去年の四葉胡瓜と今年の四葉胡瓜は、味、触感、風味が違う。去年よりも水気が少なく、みが引き締まった感じで、甘味、ほろ苦さ、爽快な風味がある。
甘味といえば、目を見張ったのがはぐら瓜。水気あり、なのに、噛み締めると水っぽくなく、清廉で無垢な青い甘味があり、生のまま、なんもつけずに、ぽりぽり食べちゃいました。
本日の夕食は、日光唐辛子を使ったアリオリ・ペプロンチーニ。
ダノイ・スタイルにするか、ACCA・スタイルにするか、迷った末に自己流でやりました。
日光唐辛子を4本、刻むだけで香りが立つ。さらにニンニクの極ミジンを用意し、オリーヴ・オイルを引いた鍋で、優しく火を入れ、茹で上がり一歩手前のリングイネをゆで汁を加えながら入れ、ひと煮立ち。
青くて、辛味だけでなく、爽やかでフルーティーな酸味、甘味があり、野菜の味がする日光唐辛子。優しいひり辛の味がじんわり浮かび上がる。リングイネ120グラム。残れば夜食の弁当、のつもりが全部、食べちゃいました。
というわけで、今夜の夜食は、四葉胡瓜のスライスを、ポールの五穀パンにはさんだサンドイッチに変更。 今、それを食べながら、これを書いてます。