2010/06/12

初夏の味 10年5月の「赤坂璃宮」銀座店の6

 締めくくりの面・飯は「鮑汁炆米粉/ビーフンの鮑ソース煮込み」。 
「鮑汁って何でしたっけ?」
「あ、それ、干し鮑の戻し汁ってことなんですが」
 もっとも「鮑汁」、干し鮑を調理する時に干し鮑の戻し汁だけじゃなくて鶏肉やら豚肉やら色々加えソースを作ります。それも「鮑汁」と称されます。
 そういえば去年の10月、「鮑汁炆伊面」が締めくくりの面・飯の一品として登場 今回は「伊面」にとって替わって「米粉」が主素材。それ以外に、赤いパプリカ、セロリ、もやし、エシャロットなどの具材もたっぷり。
 その味付けが「鮑汁」。こくのある旨さが特徴です。なんてことからすると、もしかして「鮑汁」、干し鮑を戻したときの煮汁だけじゃなく、干し鮑の料理に使うソースを使ったものかも。それに甘味が顔を覗かせる。
 「伊面」なら、ほどより噛み応えがあって、ソースの味が面に絡んでます。
 「米粉」の場合にはすっと歯が入る柔らかさとるつるつるとろとろの感じで、喉越しのよさも味わえるという寸法。でも「伊面」よりも「米粉」の方が「炒」の技術、「鍋」使いの力量を問われます。
 というのも「米粉」、生にしろ戻したものにしろ、表面に水分が付着していて、ベタ感あり。そのせいで手際よく炒めないことにはだまになっちゃいます。それを防ぐには油脂を使って、強火で炒め、水気、べた感をとばします。ですけど、油脂たっぷりだと、火の強さ、炒めの手際よさが課題、求められます。そう、水気は飛んでも脂っけたっぷりのベタベタになっちゃいますから。

 その辺りの油脂の使い方、その沸点を見極めた火、鍋の使い。「米粉」の水っ気をとばし、なおかつ、油脂のベタ感もなく、強火で炒めながら、焦げを作らない。袁さんの炒め、鍋使いの技、改めて再認識!
 「これ、旨い。ビーフンの炒めものなのに旨い!」
 「決め手はこの「鮑汁」ソースでしょうかね」
「それより、炒め方、すごいですね。ビーフン炒めてもなかなかこうはならないもの。さすがプロの技です」 なんて声が上がります。