2010/03/03

春節~春到来 10年2月の「赤坂璃宮」銀座店の7

 締めくくりの面・飯は「鴨絲炆米粉/鴨肉入りビーフン」。
 「米粉/ビーフン」なんて、実に香港ローカルな料理の登場に心和みます。 各種の面料理は日本の中国料理店でも充実。ところが「米粉」となるとせいぜいがカレー味でエキゾティックな「星島炒米粉」か台湾風の「五目米粉」どまり。そのバリエーションの少なさにはちょっとがっかり。

 幅広ビーフンの「河粉」はもっと立場が希薄。「赤坂璃宮」では銀座店も赤坂店も事前に予約すれば「河粉」が食べられます。福臨門も事前予約でOKのはず。他にも何軒があるのを知ってますが、ほとんど店はきしめんで代用。って、あれどういうことなんでしょ?きしめんは小麦から、「河粉」は米から作られるわけですから。
 
 そういえば近頃日本でも「米の面」として、米から作った面状のものが売り出され、盛んにPRしてるのをみかけますが、せっかく米で作ったものですから広東や東南アジアで一般的なビーフンの料理を積極的に紹介すれば良いものを、うどん、そば同様の料理で紹介、なんてところからすると、売り出しにも限界あり、なんじゃないでしょうか。というより、ビーフン自体、あまりなじみがないってことの証なのかも。だから、日本の中国料理店でもお目にかかれるのは「星島米粉」と台湾式の「五目米粉」と、話が堂々巡り。

 この「鴨絲炆米粉/鴨肉入りビーフン」、焼いた家鴨「焼鴨」の細切りがいわば主素材。他に玉葱、韮、赤いパプリカ、もやし入り。それに飾りつけで錦糸玉子がどっさり。
 具材すべて、細切りの「焼鴨」、もやしさいずの細さで統一。という手抜きのない細かな板の技に皆さん感心しきり。

 その味付け、塩味主体で、ほのかに醤油の風味。なんて、あの鍋肌垂らしの醤油の焼け焦げの下種な匂いなんかあなりません。
 あれ、そういえば、香港だと「雪菜」の微塵切りが入っていて、塩味、ヒネ味のアクセントありで、メリハリの利いた濃い目の味付けなのが目立って多くて一般的。なのにこの「鴨絲炆米粉/鴨肉入りビーフン」はすっきりとした軽い味付け。スルスルと口に入っちゃいます。けど、噛み締めるうち、だしの味、じわっと浮かび上がってくる、なんてところがプロの技。家庭ではこんな風には出来ません。

 そうだ「炒米粉」もいいけど、今度汁仕立ての「米粉」リクエストしよ。
 榨菜か雪菜、それに豚肉の細切りを具にした「榨菜肉絲米粉」。それとも潮州風味で「魚丸/魚蛋粉」とか「牛腩粉」、桂林風味で辛味仕立ての「酸辣米粉」や「滷菜米粉」なんかも、などといろいろと思い浮かびます。
 袁さん、楽しみにしてますから!