2009/10/06

秋の訪れ!09年9月の『赤坂璃宮』銀座店の5

 そして土鍋の中で煮え滾る「辣酒煮花螺/白バイ貝の辛味煮」が登場。  そういえば、袁さんの料理、ことに鍋料理、いつも熱々。土鍋料理はいつも煮え滾ってます。テーブルに運ぶアテンドの柏木さん、いつも一苦労。テーブルの上に置かれた料理の画像を撮ろうとしても立ち昇る湯気にレンズが曇ってすぐさま撮影なんか出来ない。

 皆さんにお目見え、ご披露の後で一旦テーブルから下げられ、別の場所でお碗に取り分けられて、再度、テーブルに登場となるわけですが、それだけ時間が経過してもなお料理は熱いまま。というのがほとんどですから、袁さんの土鍋料理の熱さ、想像してもらえるはず。

 おまけにこの「辣酒煮花螺」、登場とともに部屋の中はむせるぐらいお酒の匂いで溢れかえる。それも中国の白酒、独得の香りです。「ン!? 「五粮液」に「茅台」?」なんて思ってたら柏木さん、テーブルに置くなり開口一番「「五粮液」と「茅台」を使ってるそうです!」。

 最初に土鍋入りで登場した時には、煮え滾る赤レンガ色した煮汁の中でアップアップ。さながら地獄絵図、石川五右衛門状態、でもないですけど少しばかり異様な光景だったのは確か。それが、小ぶりの鉢に取り分けられ、目の前にした「辣酒煮花螺」、やっと「白バイ貝」の正体確認。
 身が収まったままの貝を小皿に取り、身を取り出そうとしましたが、指で貝つかむと「アチチ!なんで、まだこんなに熱いの?」なんて思わず口走っちゃうぐらい、料理が熱い!
 仕方なしに、お絞りで貝を押さえ、ほら、蟹の脚の身をほぐす細長のフォーク状のも辛さのをねじりいれ、貝から身を引きずりだす!
 煮え滾る煮汁の中にあったことから、さぞやしっかり火が入り、身の硬さを想像していたところ、火の入れ方、ミディアム・レアぎりぎりの感じのところで止めをさしてある感じ。すっと歯が入る柔らかさ。ですが、噛み締めた歯が軽くおしかえすようなしなやかな弾力もある。
  磯の味、と、同時に、だしを口に含むと、こくのある味、旨味、それだけでなく、スパイシーでエキゾティックな味、風味が浮かび上がったかと思うと、痺れをともなう強烈な辛味が一気に押し寄せ、口中に拡がっていきます。
 のたうちまわるほどの辛さじゃない。けど、ジンジンの痺れ味もあって、舌や口腔にまとわりついて、細胞に鋭く染み込み、一瞬、頭が白くなります。前後して、汗がどっと一気にあふれ出る。しかし、こらえきれない辛さじゃない。もっぺん、あるいは、何度でも、(辛さの)快感を味わいたくなくなるようなみょーに後引きな辛さです。
 おもしろいのは、痺れる辛さ、だけじゃない。なんだかスパイシーでみょーにエキゾチック。
 「ね、これ、カレーの味、しません?」
 「するする!」
 「カレーっていうか、複合スパイスの感じね、ほら、カレー粉、実はスパイスの混合体なわけでしょ?でも、なんでスパシーなのか・・・・」
 「あの、もしかして先日の「馬来醤」が使われているからかもしれません。確かめてきます!」
と柏木さん。