豚スペアリブの「排骨」の料理といえば飲茶の一品として登場する黒豆醗酵みその「豆豉」をもとにして作った調味料の「豉汁」で蒸した「豉汁蒸排骨」の方が、馴染み深くてご存知の方が多いかも。その調味、味付けを梅干に代えたもの。
あるんです、広東地方には塩漬けにした梅干しが。 梅干しを味付けにしてあるだけに、酸味が利いていて、爽やかな味、風味。しかも、火を通してありますから、ほのかな甘味、それに、旨味がある。
「これ、さっぱりして旨かった。それより、ご飯がほしくなるおかずだね」と、この手の料理が出てくれば、必ず「ご飯」のことを口にだすカメラマンのi-podさん。
広東地方ならではのこんなお惣菜がコースに組み込まれる、なんてのが嬉しい。 ちなみにネットで「赤坂璃宮」のグランド・メニューの「牛、豬、鴿」をチェックしてみたところ「排骨」の料理は「スペアリブの特製ソース揚げ」が紹介されているのみ。 ということは、わざわざ作ってもらった? 恐縮します!なんていいながら、喜んでます。
もっとも、この「梅子蒸肉排/豚スペアリブの梅肉蒸し」、素材、調味料は常備されているようですから、おそらく頼めば用意してくれるはず。事前に予約、というのが理想的かもしれませんが、広東地方の伝統的な家庭料理に興味ある人にはお薦めしたい一品です。家庭でだって簡単に作れますから。そのレシピは、ネットで簡単に検索可です。
それから「香港雲呑麺/香港式雲呑麺」。ここでようやく私は皆さんの食事に追いつきました。もちろん、そのサイズ、メンバーに応じて超大盛り、大盛り、普通盛りの3種が登場。
左が超大盛り。右奥の小碗が普通盛り。香港の麺粥屋でのサイズです。そうだ、地元気分を味わうのなら、あの小碗にして、お代わりを注文、なんてのも良かったかも。
「でも、なんで、これ香港式なの?」なんて聞かれて、じっくり観察。
「あのね、まず、麺の細さね。これ、香港の「生麵」とほぼ同じ細さ、だからじゃない?細いだけじゃなくって、腰があって、噛み応えが違うんだけど。でも、東京にも、あ、店の名前を忘れちゃったけど、香港風の「生麵」に近い細くて腰のある麺、作ってる製麺所があって、目黒の「白金亭」や三田の「桃の木」が使ってるだけど、それに、似てるような、近いような。でも、なんか、舌触り、噛み応え、それに、粉の味が違うな」と私。
そこで「雲呑」を食べて、納得。香港の麺粥屋での「鮮蝦雲呑」そのまま、蝦のすり身がたっぷり。「雲呑」を噛み締めるとプルンとした皮(これまた、香港風の感じなんですが)、その具は蝦のすり身のぷりぷり感、それに、ジューシーな味わい、風味。「これ、これ!この「雲呑」こそ、香港そのままの作り方。皮もそれっぽい!」
そんなところに譚さんが登場。
「ね、ね、譚さん。これ、なんで「香港式」なの?「雲呑」が、「鮮蝦雲呑」そのまま、蝦のすり身がたっぷりだからなの?それに、この皮、香港風だし」と尋ねました。
「そうそう、蝦のすり身たっぷりの「鮮蝦雲呑」だから、なんだけど、皮は日本製。問題は麺なんだよ。それ、香港からの空輸品。冷凍したのが日本に来るんだけど。ほら、麺の細さ、腰、噛み応えに、粉の感じが違うでしょ?」ってことでした。
「いつもあるの?」と私。
「いや、ある時は、店で出してんだよ」
「ってことは、今日はありつけた、ってことで、ラッキー!」
思わず、盛り上がっちゃう私です。
そうか、香港の麺でも、麺粥屋での「生麵」とは一味違ったりする料理店でだすような「生麵」だったわけですね。
麺が旨い。それに、皮がつるんで具がぷりぷりの「雲呑」が旨い。それに、だしが旨い。しっかりすべて平らげちゃいました。画像は私の「大盛り!」。
デザートは「黒芝麻湯丸/白玉入り黒胡麻のデザート」。香港の伝統的な「甜品」のひとつ。ほっと心が和み、胃が落ち着くデザートです。 10月の「赤坂璃宮」銀座店、広東地方の郷土料理、家庭的な惣菜の数々「家郷小菜」をしっかり味わったのでありました。