嬉しいことには会議の仲間、会議の担当氏の誰もが、嫌いな物はなし。食への好奇心は旺盛です。
たとえば仲間のひとりは「わ~、こんなの初めて!」 と、嬉々として、未知の味を恐れない。
もうひとりは料理好きで料理への探究心も旺盛。それに、自分で料理するだけでなく「ハンバーガー」から「牛丼」までファーストフード事情にも明るく、ことに話題の「メガ」プロダクツの事情通。料理ってのは美味しいだけではなく、ビッグなメガサイズ、たっぷりの量があってこそ御馳走の必須の条件、という主張が頼もしい。
なんせ洋食屋での会議の頃、メインの料理にピラフなどご飯ものの一品の「盛り」の量、「並」サイズの「普通盛り」から始まり、次第にエスカレート。「中盛り」を突破して「大盛り」に落ち着き、さらには「超大盛り」が慣例化!
以後、店が変わってからもその慣例は受け継がれ、中国料理店での最後の締めくくりの面飯類は、会議のメンバーそれぞれに合わせた3種の「盛り」の登場が定例化。実は私も「並」サイズの「普通盛り」では満足がいかず、さすがに「超大盛り」までは行きませんでしたが、「大盛り」を注文していた次第。
はたして「赤坂璃宮」の銀座店での食事の締めくくり。面か飯のはず。期待に胸を膨らませていたところに登場したのが、なんと「鹹魚肉餅煲仔飯」。
それが、直径14~5センチほどの小ぶりの土鍋で調理されたもの。一人前用の土鍋で炊かれてました。
ひとりに土鍋、ひとつづつ。香港でもこんな小さい土鍋は見たことがない。私は初体験。それだけまた、盛り上がっちゃいました。 が、まてよ、そうか、今日は打ち合わせ不足、言い忘れちゃって、最後のご飯は、皆、同じサイズ。ってことは、分量が足りない?
「鹹魚肉餅」の肉餅は、豚のひき肉。しかも、慈姑(くわい)入り、ってのが(譚さん)憎い!
さらに、塩漬け醗酵魚の「鹹魚」は、なんと「馬友」(っていうのが、ますます譚さん、憎い!)。
塩味しっかり利いているだけでなく、風味抜群、強烈な香りがたまらない「梅香」もの。「鹹魚」好きにはたまらない。こたえられない逸品です。
「鹹魚」といえば必ず引き合いにだされるのが「くさや」ですが、所変わればで、味、風味は異なります。
「これが「鹹魚」?」。
「肉餅」の上にのっかった「鹹魚」は、幅3センチ、長さ4センチ強ぐらいで、厚さは5ミリ程。
「そそ!そいつをほぐして、肉もほぐして、ご飯にかき混ぜて、ほら、そのタレ、ね!
「老抽」って、中国たまり醤油と、油とだし少々で出来てんだけど、そいつをかけて、ご飯に混ぜ合わせて食べる、って寸法。ほら、タレは、最初からたっぷりじゃなくって、加減しならが!」
とまあ、ここでも小言ぢぢい(私です)は、いちいちうるさい。
「「煲仔飯」って、要は炊き込みご飯だなんだけどさ(はふはふ!)、あぢ!
日本の炊き込みご飯とかこの手の釜飯って、ご飯を出しで炊くでしょ(はふはふ!)?。
それが「煲仔飯」は、ご飯と一緒に炊き込む下拵えして(はふはふ!)、 味付けした具材から出る汁やエキスだけなの(ホ~!)。
う~ん、美味しいは、これ!
あ!慈姑(くわい)! ほくほくの感じがわかるぐらいに切り分けられてて、いい感じ!
肉だけじゃなくて、慈姑(くわい)を加えた、ってのが、憎いなあ(はふはふ!)。
え、どこまで、話したっけ?(って、誰も聞いてなかったかも!)
あ、そだ、素材の持ち味を生かす炊き方ってことです!」。
「ね、この「鹹魚」って、この分量でもしっかりした塩味で、旨いねえ。これだけで、ご飯食べられちゃうぐらいだね!」。
「うん、それって、全然あり! 旨い「鹹魚」があれば、ご飯、いっぱい食べられるから。
けど、ほら、今日は、ひき肉と一緒に炊き込んだってことで」。
それにしても「鹹魚肉餅煲仔飯」はビッグ・サプライズ。
なんといっても一人用の小さな土鍋で、というプレゼンテーション、譚さんの見事な演出に脱帽!演出だけではありません。
ほんとに、旨い。風味がありました。
最後のデザートは、マンゴ・プディングはじめ冷たいデザートが4品、銀のトレイで登場。さらには「麻蓉芝麻球/黒胡麻あんの胡麻揚げ団子」も。 冷製のデザート、マンゴ・プディングに人気が集中、かと思いきや、会議のメンバー、選んだのはてんでばらばら。それぞれに個性的、と言いますか、しっかりした主張がそのまんま表れた、という感じで、本題の会議になだれ込み。食事が旨いと、会議も盛り上がります!