2008/06/22

「赤坂璃宮」銀座店の2

続いては「時菜油泡扇貝/活け帆立貝と季節野菜の炒めもの」。 料理が綺麗ですね。「ヘイフンテラス」の黒服の女史に見せつけたいぐらい。

 












 あ、そうそう。過日、我が友人、久々に「ヘイフンテラス」を再訪。私も誘われましたが、生憎、一緒できず。友人の話によれば、黒服の女史いたそうですが、アテンドはしてもらえず。
 それより、旬の素材を使った郷土料理の種類が増えて、以前よりも幅広くなった様子。
 もっとも、肝心の味は、日本のホテル中華のそれで、風味に乏しいとか。以前、出かけた時の方が良かった、って話でした。
 噂によれば、キッチンの日本人スタッフ、いろいろ入れ替わったそうです。

 話、戻して、季節野菜は「芥蘭」。千葉で栽培したもの、なんて話でした。まずは人数分を大皿盛りでお披露目。そん時、貝柱の油泡と気づいて、すかさず「あの、一緒に「蝦醬」、「蠔油」も持ってきてね!」と念押し。
 お披露目があってから、小皿にひとり分づつ取り分けられた「時菜油泡扇貝」が配られるのに時間はかからず、同時に別のアテンドの女性がテーブルの上の円卓の上に「蝦醬」、「蠔油」だけでなく「辣椒醤」、「XO醤」をずらりと用意。

  その昔、「赤坂璃宮」の赤坂店でのこと。開店当初、譚さん、ホテル・スタイルのサービスを積極的に取り入れたものの、サービスの人々、料理に即した各種の「醤」類、用意するのを忘れがち。というよりその認識など無かった様子でした。

 譚さん、香港の最新流行を取り入れながら、抜群の料理の腕の冴えを見せて、繊細で上品な味付け。ですが、香港じゃ料理によって用意される「醤」の類、たとえば「油泡」の魚介には「蝦醬」、「蠔油」、鳩の焼き物の「脆皮焼乳鴿」や鶏の丸揚げの「脆皮鶏」にはレモン・ソルト、ウスター・ソースが、添えられないまんま。

 せっかくの譚さんの料理も、なんだか今ひとつ物足りない。譚さんの腕、最大限に魅力を発揮できないってことが、ままありました。
 そこで「あのう~、すんませんが~」と、恐る恐る「醤」の類を頼み、その登場を待ってる間に、他のメンバー、ほとんど料理食べ終わり状態、なんてことも。

 今ではそんな昔話とは比べ物にならないぐらい、ひとり分ずつ取り分けられた料理のサービスは迅速。各種の「醤」類もすぐさま登場。
 実に気分爽快、というか、それだけでも嬉しくなって、美味しさ倍増。

 「え~!こんなに「醤」類が並んじゃって! どうするわけ?」。
 「あ、これが、蝦の醗酵味噌の「蝦醬」。早い話、アミの塩辛みたいなもん。これがオイスター・ソースの「蠔油」。そのどっちかをちびっとだけ、貝柱につけて食べると、貝柱の甘味、旨味が引き立つ、ってワケ。
 ほら、貝柱はさっと油通ししてあって、火が通って、甘味、旨味が封じ込められてんだけどさ。
 そこで「醤」をちょびっとつければ、貝柱の凝縮した甘味、旨味、風味がますます引き立つ、って寸法。
 あ、ちょびっとだけね、つけるのは。タップリはだめ!」
とまあ、小言ぢぢい(って私ですけど)、いちいちうるさい!

 
ですが、私の話に最初「ン?」といぶかしがってた皆の表情が、食べてみれば満面の笑顔に豹変。「なるほど!」と、「醤」を添える。しかも、ちびっだけの効果を納得してもらえた様子。





 「で、この見た目辛そうは、どうなの?」。
 「えとね、ちょい濃い目、焦げ茶の色あいのやつね。
 「辣椒醤」ってことだったから、唐辛子の醗酵味噌。
 けど、四川のほら蚕豆と唐辛子で作った「豆板醤」とは違いますから。

 ちょっと味見してみると、普通の「辣椒醤」よりも、唐辛子の辛味がしっかり利いて、小麦粉などを混ぜ合わせた「桂林辣椒醤」のようでした。

 「で、これは、皆さんご存知の「XO醤」。 ほら、干貝柱がたっぷり入っていて、辛味もそうだけど、旨味、風味、抜群のやつ!
 ちょっと待って、味、先に試しますから!」
なんて、頼まれもしないのに、先に勝手に味見。

これが、なんと、干貝柱の旨味、風味しっかり、ばっちりでした。
「旨いわ、これ!」 と、皆のことをすっかり忘れて、私は夢中!

 「そんなに?」といぶかしがる面々。
 早速「XO醤」をまわしたところ
 「これ、めっちゃ旨い。貝柱につけるのも旨いけど・・・
 あの、ご飯もらえないかしらん、すぐに!
 ご飯と一緒に食べたいから!」
 なんて、皆な、私に負けず劣らず、わがままなんです!