2011/03/09

'11年2月の「赤坂璃宮」銀座店~“大分フェア!

'11年2月の「赤坂璃宮」銀座店、またもや今月も月越えの紹介となりました。
着席早々、皆さんの話題は1月の新年宴会に登場した料理のあれこれ。
ことに「ハタのスパイス揚げ」の頭から想像出来るハタの大きさ、その頭、アラの頬肉の旨さ。表面はカリッと揚がってるのにしっとりしゅわとした身の緻密さ。

そんな話になったのも私よりも早くに到着していたメンバーのひとりが今月のメニューに「かぼす平目のスパイス」を発見。
「これって、昨日、TVで譚さんがやってた料理じゃないかなあ。確か「かぼす平目」ってかぼすで養殖した平目、って話だったし……」
なんてことで、すでにアテンドの山下さんと「赤坂璃宮」銀座店でロケが行われ、譚さんが出演したTV番組『料理の怪人』の話で盛り上がっていたからでした。

残念ながら私は『料理の怪人』を見られずじまい。それより店の玄関で見つけた「大分フェア開催!」というフライヤーのことが頭にありました。
これまでにも「赤阪璃宮」銀座店では全国各地の山海の物産を揃えた「○○フェア」なんて催がしばしばあって、日頃、滅多に出会えない地方の物産に出会えたからです。
「もしかして今日は大分産の海山の幸に出会える?」と、胸をときめかせていたのでありました。

さて、前菜の「璃宮焼味盤/璃宮特製焼き物の前菜」。

これは「大分フェア」とは関係なし、いつも通りの定番的な内容。
なんて思っていたら、なんと右端、豚耳の軟骨の寄せ物の「千層豬耳朶」。
これは嬉しい!

この「千層豬耳朶」「滷水」、つまりは漬け込みたれで下拵えした豚の耳を煮凝り状に仕上たもの。噛み締めるとこりこりの触感、舌触り。
さらに、コラーゲン質特有のとろん感がじわじわ押し寄せてくる。


 豚の耳の寄せ物、たいていの場合素朴な味、のはずなんですがこの豚の耳の寄せ物、下拵えの「滷水」にひと工夫ありなのか、ほのかに香辛料の香りが浮かび上がってくるなど風味がある。しかも味わいは上品で洗練されています。平林君、やるじゃない!

さらに左へ家鴨の焼き物の「焼鴨」、次いで「叉焼」、皮付き豚ばら肉の焼き物の「焼肉」。
「わ~、この「家鴨」とか「叉焼」とか豚ばら肉の焼き物とか、毎月、少しずつ分厚くなってない?でも、それだけ食べ応えがあって嬉しい!」なんて声が上がります。
「そうそう、だからこういう前菜の焼き物の切り方って、結構、重要なんだよね。見た目もそうだけど、口にした時の噛み応え、肉の厚さが旨さを感じさせる、なんてこともあるから。分厚いだけで満足感を得られるってこともあるでしょ?」

「ね、ね、この家鴨の肉、柔らかくってしっとりしててジューシーで美味しい。火の通り加減も良いし、美味しい」と、感嘆の声があがります。
「ほんと、ほんと、肉が美味しい。ここ最近のベストかもね。でも、皮の焼きが今ひとつかな。ちょい緩い感じで。皮はぱり、それで、こんな風に肉がしっとりジューシーだともっといいんだけど」と、うるさいのは私です。

「この皮付きのばら肉の焼き物、味、しっかりしてて良くない。塩加減もいい感じだし」
「うん、これいいね。皮はしっかりぱりっと焼き上がってるし、肉はしっとり。それに塩加減もしっかり。これぐらい利いてないとね」

「それよりこのほおずき、食べられるの?」
「あ、私、とっくにたべちゃいました。美味しいですよ、ちょっとほろ苦くって」。
そう、焼き物を取り囲む野菜の中にほおずきが。
「このくらげもこりこりしてて旨いね」くらげ、胡麻油で和えてありました。

なんて具合に前菜から盛り上がり。新年宴会の余波ってだけじゃなく、焼き物すべてひときれずつですが、しっかり前菜を食べた!なんて満足感を覚える食べ応えがありました。