2011/05/17

ゴールデン・ウィークにいいもん聞いた~その1

ども!久々の復活です。というのもいろいろありました。
最大の要因は地震に襲われた我が仕事部屋の片付けに時間をとられたこと。片付けついでに古い資料やアナログ・ディスク、CDの整理にも追われる日々。おまけに地震で未確認物体の飛来によりダメージを受けたPCの按配が悪く仕事の原稿を片付けるのにも難渋する始末。

よって地震前に書き溜めておいた月例の「赤坂璃宮」銀座店報告の3月分や他にブログ・アップするつもりだったものもオクラ入りのまんま。「赤坂璃宮」銀座店報告の4月分や下書きしたまんまで放置状態ですが、いずれその内に!

そんな間隙を縫ってこのゴールデンウィーク、コンサート通いに精出しました。
まずは4月30日、オーチャードホールで森山良子の「45周年記念コンサート」。
これから全国各地を巡演ってことですから演奏曲目の仔細についてはナイショにしましょう。

とはいえ、それでは話が続きませんから簡単に紹介すれば、一部はデビュー当時のヒット曲を中心に構成。その足跡を密度濃く凝縮。二部では森山良子の音楽的な幅の広さ、さらにはこれからなどを披露。ヒット曲、代表曲を総ざらえや回顧的趣でもなくなんとも意欲的な内容。

それにしても良子さん、歌が旨い、あれれ、上手い。
歌唱技術の巧みさ、声量の豊かさは圧倒的。なにしろ彼女の体、肉体こそが楽器というにふさわしく、体中で声を響かせて歌います。まるでオペラ歌手のよう。

ですけど、そうした歌手にありがちな技巧をひけらかしたり、情感たっぷりに歌い上げるってところがない。抑制を利かせ、自然体。なによりも歌詞とメロディーを丁寧に的確に表現、ってところが凄い。あくまで自然体。 それって、簡単なようですけど、年季と意志がなければ出来ない技です。

ほら、ディーヴァ系なんていわれてる若くて歌い上げるタイプの歌手、わんさかいますけど、技をひけらかすばっかり、ってことはまだ未熟ってことですから。そして、たまにフェイク。メロディーを崩して歌ったりするわけですが、さりげなく、自然で無理がない、なんてところも凄いわけです。

そんな良子さん、実は、結構、おっちょこよい、なんてことがコーサートでは続出! というのが良子さんのコンサートの面白さ。 歌うときには最高の歌姫、ですが、MCになるとぐっとくだけた調子。

どうやら言いたいことが頭の中に一杯。ですけど、それが勢いまかせで口に出るタイプ。話に夢中になって、プログラムで予定されていた次の曲、すっ飛ばして紹介、なんてよくあること。今回もありました。 それに、本来はギターを持って歌うはずの曲、スタッフがギターをステージに運んだのにもかかわらず、そんなの忘れちゃってギターなしに歌う、なんてことも。

そうそう、幕開け、ソファに座って歌う彼女ですが、歌声を聴いているとなんだか落ち着かない。中低音の響き、足りない。おかしいなあ、なんて思ったら、ギター抱えてるもんで前屈みになる分、腰、というかお尻がソファーに沈み込んで落ち着かない。腰(お尻)の居場所を確かめながら歌ってるからでした。

ですが、今回の良子さん、歌を聞いているとアーティストじゃなくって、シンガーってことに徹し 「何のために、誰のために歌うのか!」ってことを悟った様子。それが「歌」に現れてました。「たかがシンガー、されどシンガー!」なんてこと、肝に銘じてる感じで、意欲的でアグレッシヴ。 そんなことに感動しました。

ゲストにはビギンが登場。歌ったのは言うまでもなく「涙そうそう」。
ほほえましいコラボレーションでした。
もうひとり、意外にも客席で出会ったのがムーンライダーズの鈴木慶一君。
なんで?なんて思ったら、良子さんの新作のプロデュースを手がけ、共作などもしているそうな。
こいつは面白い組み合わせだ。新作アルバムが楽しみです。

というわけで、画像は終演後のバックステージのスナップです。