2011/04/01

'11年2月の「赤坂璃宮」銀座店~“大分フェア!の6

続いては熱々のまんま、湯気がもうもうの「紅焼魚腐煲/豆腐と魚すり身の土鍋煮込み」。
立ち昇る湯気のせいで、画像がうまく撮れない。そう、袁さんの土鍋煮込み、いつも熱々、湯気もうもうで画像に収めるのに苦労します。しかも、シャーッターバシャバシャの後で一旦テーブルから引き下げられ、小皿に取り分けられてもなお熱いまんま、というのにいつも驚きます。 これが旨かった。
「魚腐」というのは「豆腐」と魚(多分、すずき)のすり身を混ぜ合わせたもの。
簡単に言っちゃえば魚のすり身仕立てのひろうす(雁もどき)。
頬張ればその表面は揚げた豆腐のざらっとした触感。
ですが、噛み締めるとしっとりとしていて、「魚腐」に染み込んだ「だし」がじゅわっと溢れ出る。「魚腐」も旨いですが、溢れでる「だし」が旨い。
「魚腐」のほかにはエリンギときくらげ。
さくっとした触感のさわやかさこそあれ、茸としての味、旨味、風味に乏しいエリンギも、しっかり「だし」の旨味が含まれていて旨い。
きくらげはこりこりの触感。むしろきくらげのほうが、なんだか茸ぽい旨味、風味あり。

その味付けの「紅焼」。ほのかに醤油の香りが昇り立ちます。鍋肌に醤油をたらした焼け焦げのげすな臭いとは対照的に、香り、風味はやわらかくって上品です。たまり醤油仕立て、なんだと思います。塩味も利いてますが、独特の甘味があります。広東料理独特の調理と味付け。見かけは色が濃い。上品で洗練された味わいと風味です。それに、なによりも「だし」の旨さが光ってます。

そう、肝心なのは「だし」。「だし」がしっかりしているからこその味わい、旨味、風味です。その「だし」、極上の「上湯」なのは明らかです。だから、旨いんだ!なんてことに納得。味わう内に、ほのかに生姜や陳皮の香り、風味が浮かび上がるのがなんとも憎い。広東料理の「紅焼」ならではの、味わい、香り、風味です。

醤油、時にオイスターソースも加味して味付けするこの「紅焼」の料理方法、広東料理独特のものですが、その要は調味料じゃなくって「だし」。そのあたり、素材の吟味、それに「だし」の旨味、風味、深みがあってこそ成立する関西の「薄味仕立て」の洗練された上品な料理と通じるものがあるのではないでしょうか。