2009/02/04

節分 恵方巻 丸かぶり寿司

 本日は節分。“福は内、鬼は外”の豆まきの日ですが、その前に我家では恒例の行事なのが「丸かぶり寿司」。うちのかみさん、朝からせっせと下拵え。昨夜から水に浸して戻しておいた干椎茸を煮込み、高野豆腐、干瓢を戻してだしで煮含め、さらには卵焼きを準備。三つ葉だけは、昨日、買い損ねていたので、私が駅前のスーパーへ買出しに。

 驚きました。駅前のスーパーではパック入りの「恵方巻」がずらり。近所のコンビニで「恵方巻き予約、受け付けます!」なんてのはここ何年来、見慣れた光景でしたが、今年の駅前のスーパーでの「恵方巻き」セールは尋常じゃない。思わず陳列ケースを覗いてみると「海鮮恵方巻き!」、「特製ずわい恵方巻き!」なんてのがずらりと並んでいたのに「ギョ!ギョ!ギョ」。おったまげました!

 「をいをい!“恵方巻き!”って、具は精進が当たり前、本来のものなのに、なんでこんなのがあるわけ?」。
 まさしく“恵方巻き!”ブーム(?)に便乗商売丸出しじゃないですか!

 ウチのかみさん、今日のラジオで聞いた話というのは、そもそも恵方巻き、30年ほど前に大阪の海苔屋さんの需要拡大キャンペーンがきっかけ、なんて話を聞いて“プンプン”。もしかしてその情報の根源は?と思い立ってウィキを調べたら、案の定、そんなことが記されてました。間違いなくラジオで流した情報、台本書いた若手の作家、ウィキからネタを頂戴しちゃったんでしょう。

 ウチのかみさん、父親が船場の生まれ、育ちですから、子供の頃、そうです30年前以上もはるか昔から、節分といえば“丸かぶり”。それも、“丸かぶり寿司”の具は玉子の厚焼き以外はすべて精進ものというのが先祖伝来の慣わし。というが“プンプン”の理由です。

 私は神戸の生まれ、育ちですから、“恵方巻き!”、“丸かぶり寿司”のことはうちのかみさんと一緒になるまで知りませんでした。ですが、我家の太巻き、かみさんの家の“丸かぶり寿司”と同じく、玉子焼きを除けば、具はすべて精進仕立て。

 ですから、東京にきて太巻きを食べた時、具はすべて甘辛仕立ての濃い味付け。おまけに“でんぶ”が入っていて甘味たっぷりなのに驚きました。もっとも、それはそれで面白くって、通いなれた寿司屋の親方にお願いし、江戸前仕立ての太巻きを特別に巻いてもらったことがあります。それが、なんともリッチでゴージャス!
 ですけど、我家で作る太巻きの具はやはり精進仕立て。














 太巻きを巻くのは私の役目。これまでは大甥っ子の信之介、彰之介の分やら、いろんな人におすそわけってことで、20数本ほど巻いたこともありますが、今年はささやかに夫婦の分だけ。といっても、3合のご飯で、8本ほど巻きました。

 それにしても、恵方に向かって太巻き一本丸かじり。それも、食べてる間は一言も発するのは厳禁ですから、押し黙ったままひたすら太巻きを食べ続ける。食べる方は必死ですが、傍から見たらそれは異様な光景!

 やっかいなのは三つ葉です。三つ葉は茹でた長いままのものをそのまま具にします。三つ葉を切っちゃいけないもんですから、しかし、それがなかなか噛み切れない。いつも三つ葉で苦闘する“丸かぶり寿司”。

 いつだったか “ねえ、理都子さん、お願いだから、三つ葉、食べやすいように切っておいてください!”  と懇願したのはあぐりさん。 けど、うちのかみさん“だめです。三つ葉は切っちゃいけないの!”
 その理由は?と尋ねても“だって、昔からそうなんだから!”と、うちのかみさん。
 けど、それにはなんか理由がありそうですね。

 毎年、長い三つ葉が食べにくい、という話で盛り上がりながら、どうして長いままなのかその理由はナゾのままです。
 そうそう、丸かぶりの寿司と一緒にやいた鰯を食べるのも慣わし。今年は千葉産のこぶりのかたくちいわしを入手。これが滅法旨かった。

 さて、これから、豆まきです。これが終われば、新年気分はおしまいと相成ります。