2007/02/04

閑話休題~節分





 今日、2月3日は節分の日である。我が家では正月に次いで重要なイヴェントが行われる日である。神戸にいた子供の頃には、その間の小正月も、我が家で重要なイヴェントだった。松飾りを外し、どんとを焼く。そこに割った鏡餅を投げ入れて焼く、と言うものだ。

 我が家では1日、15日はお赤飯の日、と決まっていたが、正月だけは例外だった。元旦はお節と雑煮。小正月には、とんどで焼いた鏡餅の雑煮を食べたものである。もっとも、東京にきて、結婚してから、小正月の儀式はやらなくなった。東京では松の内は7日までで、松飾りを外す。それに、鏡餅も小さいもの簡略してしまったから、雑煮にするほどの量もない。

 その代わり、節分のイヴェントが重要なものになった。今では全国的に知られるようになった恵方巻きの太巻きをこしらえ、鰯を焼いて食べ、豆まきをする。 恵方巻きの太巻き、海苔巻きは、スーパーやコンビニでも売られているのだが、ぎょ!と驚くことが多い。

 日頃、太巻きとして売られているものがそのまま売り出されているのはともかく、海鮮巻きをはじめ様々な種類があるからだ。チラっとのぞいて見える干瓢など、真っ黒けだ。味が濃そうである。それに、甘そうだ。

 我が家の恵方巻きの具は、出し巻き玉子以外はすべて精進ものである。干椎茸、かんぴょう、高野豆腐に三つ葉、という内容である。海苔は伊勢、答志島産の干し海苔。男海苔である。 例年、我が家のものだけでなく、姪っ子一家や友人にも配り歩くから、かなりの量を巻く。太巻きを巻くのと、出し作りのためのおかか削りが私の担当だ。が、今年はかみさんがパリとロンドンで開催されている展覧会に出品し、出席することになって私ひとりで恵方巻きの太巻きを作った。

 昨夜から漬け込んだ昆布、それにおかかを削って出しをとる。その傍ら、高野豆腐、干瓢、干し椎茸を戻す。出しをとってから、酒を煮立たせ、薄口醤油と砂糖で味をつけ、高野豆腐と干瓢を煮る。干し椎茸は戻し汁を入れてたく。すべて味つけは薄味仕立だ。

 煮込む間に、出し巻き玉子を焼く。米を洗い、昆布を浸して炊き、蒸らした後で酢飯を作る。その間に、具を切り刻んでおいて、準備万端。

 そして恵方巻きを巻いたのだが、ひとりですべてをやりこなすには、ことのほか時間がかかった。そして、いつもなら鰯の丸干しを焼くが、今年は目刺しにした。すべてが出来上がってから、今年の恵方、北北西をにらんで、一本丸ごと無言のまま、恵方巻き、それに鰯の目刺しに頭からかぶりついたのでありました。さて、これから、豆撒きであります。