2006/12/24

蟹黄魚翅撈飯(4)

 ふかひれの料理だけでなく、ふかひれの種類、品種も豊富にある。
 これまでに挙げた福臨門のふかひれの料理も、ふかひれの種類によって料理名、名称が異なる。当然、味わいも異なる。

 ふかひれの部位、その形状、大小、ふかひれの一本の繊維を意味する「翅針/翅絲」の太さ、軟らかさが異なるからだ。

 唇に触れる触感、舌ざわり、歯ごたえ、風味、香りも、品種によって異なる。
 そんなことから、ふかひれそれぞれの資質、持ち味を見極めて料理される。
 料理によってふかひれが使い分けられる、ということもある。
 むろん、使われるふかひれによって料理の値段も異なる。

 ふかひれ、とはサメのひれのことだ。
 サメには背びれ、胸びれ、腹びれ、尻びれ、尾びれがある。
 そのうち、ふかひれとして加工され、食用にされるのは、主に背びれ、尾びれ、胸びれだ。
 形状は小さくなるが、前背びれ、後背びれ、2種ある背びれのうち、後ろ背びれ、尻びれが使われることもある。

 加えて、サメと同じ軟骨魚の「犁頭鰩」の胸びれ、尾びれも含まれるという。
 サメは「側孔総目」だが、「犁頭鰩」は「下孔総目」に属し、約20種類ほどあるという。
 ネットで検索すれば、「犁頭鰩」の姿をみることができるが、サメとは異なり、頭部が扁平な三角系の形をしているのが特徴だ。

 とはいえ、私にとっていまだに不可解であり勉強不足を否めないのは、料理名に明記されているふかひれの名称、その分類、もともとのサメの種類、個別の名称を特定できず、大半が不明のままなことだ。いずれ、それらを解明したいと思っている。

 もっとも、香港などでも、ふかひれを取り扱う業者、それらを仕入れる料理店の経営者や調理する料理人の間でも、ふかひれのそれぞれの差異、特徴こそ認識し、区別、分類してはいるものの、それらは長年使用されてきた慣例的な名称による。それらの認識が異なることも少なくない。

 もともとのサメの品種、個別の名称のすべてが把握されているわけでもなく、サメの学名が明らかになってないものもある。
 結果、和名などを探り当てるのは容易ではなく、探り当てられないものもある。