これがテーブルの上に置かれていた叙香園酒樓のメニューである。表には「特選時菜」として、旬の素材をつかった季節料理の数々が紹介されている。
香港島の叙香園では、伝統的な郷土料理を看板とし、評価を得ていたが、九龍店は、干貨、さらには新鮮な魚介による海鮮料理、宴会料理のコースに組み入れられる高価な素材を使った料理を看板にしていた。
「著名焼烤鹵味」とあるように、焼鴨、焼鵞、叉焼などの焼き物や、「鹵汁」、つまりはタレで煮込んだもの、あるいは、漬け込んだ料理も看板とし、評判を呼んでいた。
「砂窩大魚頭保」は、「合時保仔菜」に紹介されている(3品目がそれである)。他、「午夜馳名粥品」として、「宵夜」、つまりは夜食に好まれる粥の数々が紹介されているのも興味深い。