2006/12/11

蟹黄魚翅撈飯(2)

 広東料理には「燉」と称する湯煎蒸しの料理方法がある。

 「燉」は、英語ではダブルボイルドと表記されているが、蓋付きの容器に素材を入れ、蓋を密封し、蒸す料理方法だ。
 家庭などで「燉」の料理方法をやるとなると、蒸し器を使うわけだが、料理店には専門のスティーマーがある。

 ふかひれの料理には「燉」の料理方法によるものが少なくない。

 まず、広東白菜を入れて湯煎蒸しにしたのが「白菜胆魚翅」。

 そこに、鶏を一羽、もしくは半羽を加えたのが「白菜胆鶏燉魚翅」。
 宴会用の豪華なメニューである。

 鶏一羽にふかひれを詰め、湯煎蒸しの「燉」で調理したのが「鳳呑翅(鶏呑燉魚翅)」。
 その鶏を鳩に置き換えたのが「鴿呑燉魚翅」だが、私はまだ福臨門で食べたことはない。

 食べたのは潮州料理店でのことだった。
 潮州料理の店ではふかひれよりも燕の巣を詰めた「鴿呑燉燕窩」が一般的だ。
 頼めば「鶏呑燉魚翅」も用意してもらえる。
 
 ついでにいえば、先の「白菜胆鶏燉魚翅」は福臨門のグランド・メニューにあるが、「鳳呑翅(鶏呑燉魚翅)」、「鴿呑燉魚翅」ともに、顧客からの注文が無い限り滅多に作ることがない。

 いわば裏メニューだが、「鳳呑翅(鶏呑燉魚翅)」に関しては、東京の福臨門のお勧めのメニューになったようだ。