2007/01/06

隋園食單新釋補填~支那料理基本知識


 竹田胤久編著による「隋園食單新釋補填~支那料理基本知識」(陶樂荘)。昭和十三年八月十三日印刷、十八日発行と奥付にある。
 袁枚の「隋園食単」の訳本であると同時に、注釈に中国料理の知識や料理を紹介。
 ふかひれの項目のところに「紅焼魚翅」の紹介がある。
 巻末ではどうやら上海の鹿鳴春のものと思われる「菜単」から数々の料理を紹介し、解説を加えてあるのが面白い。
 当時の料理店事情がわかる貴重な書だ。
 不勉強にも竹田胤久をしらないが、あとがきによれば、河北省出身の留学生を預かったことをきっかけに「支那料理」に興味を持ったという。さらには四川料理に関心を持ち、他に浙江、揚州、広東の中国人料理人とともに日本に招聘すべく準備していたものの、支那事変の勃発とともに、実現に至らなかった、とある。
 それにしても、当時、四川料理に関心を持っていた、というのが興味深い。