2010/12/27

師走の1

ども、ごぶさたでした!今年も残すところあと57日。なんてことではぽっかり穴が開いたままになってる『赤坂璃宮』銀座店の7月から11月の月例報告、年明けになってしまいそう。その前に今月のを早いうちに報告いたします。

ところで、私といえば実は11月半ば過ぎからとっくに師走モード。今年も芸術祭の審査員を担当しましたが、審査会を終わってすぐさまコンサート通いが復活。毎年、年末になるとコンサート・ラッシュです。おまけに雑誌はじめ諸々の今年1年間を振り返る企画に加えて、来年早々の正月特番やら1月発売の再発企画の手伝いなどもあって師走を通り越して新年モード。

さて、コンサート。まずは久々にヴァン・ダイク・パークスとの再会が実現。『De La FANTASIA 2010』でのことでした。細野晴臣グループ、高橋ユキヒロ率いるTYTYT、クレア&リーズンなどなど参加のオムニバス・コンサート。楽しみは噂のトクマル・シューゴ。色々楽器を持ち替えたりするトイ・オーケストラ的趣きのバンドを従え、エレキ・ギターの弾き語り。

ですが、定評あるはずのギター、椅子に座ってギターの手元を見ながらの演奏で、なんだかリズムが落ち着かないままま一気呵成に弾きまくり。カレイドスコープ風に音像世界が広がり、つぶやくような歌と独特の歌詞世界、なんていうアルバムとは違ってライヴ仕立て。

ですが、ライヴ・ハウス・サイズの演奏で、内にこもって小ぢんまりのまま、歌と演奏のアプローチ、ホールの隅っこまでは届かないし、客席に飛び込むような感じもなし。それにしてもどうして椅子に座って弾くのか疑問。なんてこと、バック・ステージで当人にも尋ねました。

高橋ユキヒロ率いるTYTYTは高橋幸宏、宮内優里、高野寛、権藤知彦というスペシャル・ユニット。私好みのエレクトロニカ。ギターをサンプリングしてギターを足していく宮内優理と伸び伸びと歌う高野寛が光ってました。細野グループには鈴木茂も参加。今の気分そのままというオヤジならではの味わいが地味で滋味深い。高田漣君のマンドリンも「わ、すげ、やる!」なんて感じで、当人の思惑はさておきヤンク・レイチェルを思い出したりして。

面白かったのは細野グループの演奏のシャッフルのニュアンス。踏ん張りのある重さよりもハーフ・シャッフぽい軽さがあって、そこんとこ今風。若いメンバーのノリ、グルーヴを生かしたもの。あとで高田漣君に「あれって、なんで?」と尋ねたら「細野さんの好みなんです」なんて話に、ナルホド。昔そのままじゃなくって今風に、という訳ですね。

それから、今、私が注目のグループ、クレア&リーズンズ。話題のブルックリンからで「チェンバー・ポップス」なんてことだけど流行遅れのオヤジ(私ですけど)は「何、それ?」って感じですから、始末に終えません。フォーキーな要素にヴァイオリン、チェロによるクラシック的な要素をブレンド。ボヘミアン的な素朴さもありますが、とてもエレガントで知的。

ハイ・インテレクチュアル・ミュージックという感じです。それにどこかイギリス(かぶれ)風なんてもの興味をそそる。ウェスト・コーストでは絶対にありえないグループ。絶対的にイースト・コースト、それも《ザ・シティ》や《ニュー・イングランド》っぽい感じ「うん、その通りかも!」とクレアも言ってました。

そして、ヴァン・ダイク。「ジャンプ」に始まり「オポチュニティー・フォー・トゥ」やら「カム・アロング」に続いて「オレンジ・クレイ・アート」が!「F・D・R・イン・トリニダード」なんてのも。それに「英雄と悪漢」。さらにはかの名盤『ソング・サイクル』からの「ジ・アッティック」。アンコールが「オール・ゴールデン」というマニア泣かせのセット・リスト。

歳はとりましたが歌もピアノも実にパワフル。以前にもましてパワフル。それに、今回最大の収穫はクレアを除くリーズンズの3人のヴァイオリン、チェロ、ベースによるアンサンブルの素晴らしさ。ストリングスが命、というヴァン・ダイクはこれまでの来日公演の度、それを実践すべく日本でストリングスを調達。 ですけど、日本で調達したストリングスの《ノリ》というか《グルーヴ》はなんだかいまひとつ。

そんな問題をクレアの亭主のオリヴィア、チェロのジョン、ベースのボブのたった3人でカバー。ヴァン・ダイクが求めるストリングスでグルーヴ!を見事具現化、というスリリングな演奏、サウンド展開が絶妙でした。画像はヴァン・ダイクとトクマル君の記念写真を盗み撮り。