
しかしこの「脆皮手撕鶏」、揚げた鶏から皮をはがしてあります。それこそ、北京ダックさながら。北京ダックの家鴨を鶏肉に代えて窯焼きにした香港生まれ(?)の「片皮鶏」のサービスの仕方と同じ。その辺り、皮付きの鶏肉をが福臨門の「(當紅)脆皮鶏」と違います。
鶏の丸揚げの皮の下の鶏肉、鶏肉を(大ぶりにですが)食べやすく裂いてあります。そうかそれで「手撕鶏」なのかと納得。「手撕鶏」といえば茹でた鶏肉の身を裂き、タレ、香味野菜で味付けした湾仔の「酔湖」の看板料理を思い出します。
この「脆皮手撕鶏」。パリサクの触感の鶏の皮がうまい。しかも、噛み締めてしっかり歯応えのある厚みがあります。しかも、皮の裏の部分、皮の裏についた脂肪が皮の裏側を焼いていて、これがまた独特の味、風味を醸し出す。もっとも、北京ダックや「片皮鶏」の皮とは触感、味、風味が異なります。やっぱり丸揚げ、ってところが独自の味、風味を生み出してるんでしょう。
鶏の身、その表面は少々乾いた感じ。ですが噛み締めるとすっと歯が入る柔らかさ。ですが、しっとり感と粘着質の弾力があり、なんてところも面白い。塩味、しっかり利いていて、鶏肉の旨さを引き出してます。
考えてみれば鶏の丸揚げの「炸子鶏/脆皮鶏」の皮と身をそれぞれに味わう「脆皮鶏両吃」なんだと納得しました。