どうもPCの調子が悪い。漢字変換の具合が途中でおかしくなる。繁体字や標準文字以外の漢字表記が多いせいなのか。といって、それなしで香港や中国料理関係のことについては書けないのだから、お手上げ状態です。
そんな間に、過日、尖沙咀、厚福街の「洪利」のリニューアル話を伝えてくださった東山堂ベーカリーの原田さんのブログに「妹記」の動画が!
とりあえず、http://ameblo.jp/tozando/に行って、「下丸子ではたらく66歳の社長のブログ」をクリック。香港特集パート7に「妹記」が紹介されています。それも「粥」作りの作業まで撮影、ってのがすごい。
原田さんの動画でもわかるように「妹記」の「粥」、あらかじめ作り置きしてある大きな粥鍋とは別に、小ぶりの銅鍋が用意してある。
たとえばこの店の名物、「そう魚/鯇魚」の腹身の部分を使った「魚腩粥」。油を鍋に注ぎ、「鯇魚」の腹身の両面を「煎」する。表面に焼き色が付く前に、別の銅鍋で煮立ておいた「粥」を注ぎ入れ、ひと煮立ちさせる。「粥」と具を別鍋で準備。しかも鍋は熱効率の高い銅鍋を使用、というのが「妹記」の「粥」の特徴。旨くて、香りが豊かな秘訣、ってことです。
それ以前に、基本の「粥」作りもこの店ならではの工夫がある。使う米は「絲苗米」。で、だし。基本は小ぶりの地魚の「梭羅(どうやらデンジクダイ属のいしもちの一種らしいが、厳密な学名や和名は不明)」をふんだんに使ってだしのベースを作り、豚骨や豚の舌、それに陳皮などの香辛料に湯葉を加えて煮込んだもの。
で、米10に対してだし7の割合で6時間かけて「粥」を作り、それを先に触れてきた要領で注文に応じて銅鍋で再度煮立む、というのが「妹記」の「粥」。すっきりとしただし。「粥」そのものは、ふっくらとした仕上がりで、独特の触感、滑らかさ、それに、どっしりとした重量感がある。
具についていえば、最も人気があり、評判を呼んでいるのが先にも触れてきた「そう魚/鯇魚」の腹身の「魚腩」。地元の「粥」通の間では、香港一として挙げる人も少なくない。この店の「鯇魚」は、その鮮度、質の良さが知られ、それが評判を呼んでいる理由のひとつに挙げられるほどだ。もちろん「鯇魚」の皮を湯引きし、生姜の千切りと一緒に出される「魚皮」も人気の品だ。
さらに「魚腩」に手作りの豚肉のつみれの「肉丸」や、牛肉のつみれの「牛丸」を加えた「魚腩肉丸粥」、「魚腩牛丸粥」も評判だ。
そして、「鯇魚」、「肉丸」、「牛丸」の「粥」とともにこの店で見逃せないのが「皮旦痩肉粥」。「皮蛋」に塩漬けにした豚の赤身肉を加えた広東粥の定番的なメニューだが、豚肉の下拵えの按配、それに、だしの味がしっかりした「粥」と一体化し、醸しだす味わいと風味は、穏やかで優しい。
「魚腩粥」の野性味のある味、風味とは実に対照的で、奥床しく、上品で洗練されていて、味わい豊かです。
画像は原田さんが撮影した「妹記」のメニューとキッチンの様子です。